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没落令嬢は護衛騎士と旅に出ます  作者: つきのくみん
第4章 ガルディア王国前編
133/295

132 輿入れの条件

R15です。最後の方に少しだけあります。

 エメラダ王女は既に17歳だから、王女の婚約としては遅い方だった。王家の女性は場合によっては、この世に生を受けた瞬間に、既に婚約が決まっていることも珍しくない。

 エメラダ王女も例外ではなく、ガルディア王国王太子ベイナードとの婚約は、彼女が幼いときから水面下で話が進んでいた。


 それなのに彼女の婚約がなかなか決まらなかったのは、ベイナード王太子がエメラダ王女との婚約前に、既に多くの側妃を迎えていたことにある。

 王太子と王女は一回り離れているので、大国の王太子がそれまでに側妃を1人も迎えないというのは、後継問題等を考えても常識的に無理な話だった。


 もちろんエメラダ王女のために次期王妃の座は空けてあったものの、プライドの高い彼女はそのことがどうしても許せなかったらしい。

 由緒正しい出自の側妃たちとの間には既に王子も誕生していたが、王女は側妃をすべて実家に帰さなければ絶対に輿入れしないと、頑なに主張していた。


 そのためいつ破談になるやもしれず、王女の婚約についてはごく最近まで箝口令(かんこうれい)がしかれていたくらいである。

 その状況に業を煮やしたアストリア国王は、何とかして娘をその気にさせるため、今後新たに妃を迎えないことをガルディア王国側に約束させた。


 優れた文化とはすなわち力である。ガルディア王国としては、成熟した文化と武勇を併せもち、他国にも影響力が強いアストリア王国と姻戚関係を結ぶことを重視したのだろう。驚くべきことにガルディア王国側はその無茶な条件を飲んだという。


「今度、結婚式の警備計画の打ち合わせにガルディア王国に行く。当初の予定より出発を早める。タニア、しばらくは会えない」

「それなら今夜はもう少しだけ……」


 そう言ってジェイクから手紙を取り上げたタニアは彼の手をとり、またベッドへと(いざな)った。

 彼は誘われるまま、妖艶な彼女を自分の下に閉じ込めた。

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