第3話
宗太達が通う私立大日烏丸学園は小学校、中学校、高校、大学とエスカレーター式で全校の生徒が3000人を超えるマンモス校で文武両道を掲げる学校である。
宗太の家からは電車で3駅程の距離で、ある程度近場と言えるだろう。
宗太と朱莉が電車を降り、学校までの道を歩いていると朱莉が話しかけてきた。
「今日から、新学期だね。私たちも先輩になるのか〜。どんな後輩が入ってくるか楽しみだね。」
「後輩か。強い奴だったら良いのにな。」と宗太が言うと、
「宗ちゃん。その考えはどうかと思うよ。でも、宗ちゃんらしいね。」と朱莉が呆れながら言うが、その顔は少し嬉しそうにしていた。
「そういえば、朱莉は今日部活は行くのか?」
「今日は、部活紹介だけだからそんなに遅くはならないよ。宗ちゃんは今年も部活には入らないの?」
「俺は帰ってからの稽古があるから無理だな。」
「それもそうだね。」
雑談をしている間に学校へと到着し、クラス表を見に行く宗太と朱莉。
周りには、新入生だろうか少し緊張気味にしていたり、在校生が同じクラスになったとかなってないとかの話しをしていたりしていた。
そして、宗太と朱莉もクラス表の前にきて自分の名前を見つける。
「私は、5組か〜。宗ちゃんは何組だった。」
「俺は、1組だ。」
「クラス別れたね。1年の時は一緒だったのに、少し寂しくなるね。」
「今生の別れじゃあるまいし、いつでも会えるだろう。」
「そう言う事言ってるんじゃないんだけどな〜。」と少し不満気に言う朱莉。
「それじゃあ、どう言う意味だ。」
「別に!何なもないよ〜だ。私もう行くね」
と朱莉が走って行ってしまい
取り残された宗太は、
「何なんだ一体。」
と走り去った朱莉に言うのであった。