プロローグ
初めて執筆しますので、暖かい目で見てやって下さい
ピピピッピピピッ
殺風景な部屋の中に目覚まし時計の音が鳴り響く。
時刻は明朝4時30分。
彼の朝は早い。
彼は目覚ましを止め、いつものように用意をし道場へ向かう。
道場に着くと、筋骨隆々の男が待っている。彼の祖父夜凪宗次郎が瞑想を行なっていた。御年80歳になるが背筋が伸び、衰えることのない筋肉が只者ではない雰囲気を醸し出してる。
「おはようございます。師匠。」と一礼をし道場に入る宗太。
「おはよう。いつも通りだのう。宗太。では始めるかのう」
そういうと立ち上がる。
「はい。今日も宜しくお願いします」と宗太が言い稽古が始まる。これが彼、夜凪宗太の朝の1コマだ。
稽古が始まり1時間ほど経ったあたりに宗次郎が言う。
「宗太よ。久しぶりに組手でもやらんか?」
少し考えて、宗太は「お願いします。」と言い
2人は対面する形をとり一礼をし、互いに構えた。
少しの沈黙の後、宗太が動く。一瞬で宗次郎の懐に入ると鋭い突きを放つ。しかし、宗次郎はそれを分かっていたかのように、躱しカウンターの蹴りを放つ。
宗太は突きを放った直後だというのに、それをギリギリで躱すが、宗次郎は躱されることが分かっていたかのようなタイミングで宗太の胸に向かって突きを出す。宗太は躱す事が出来ず、直撃する。
宗次郎はそのまま追い討ちをかけるように連撃を加えようとするが、宗太はそれらを全て躱し、受け流すことで回避する。
それらが、少し続いたところで宗次郎が一旦距離を置き、宗太も同じタイミングで距離をとった。
そして、少し間を置いたところで宗次郎が口を開く。
「相変わらず、化け物じみた動体視力と反応速度じゃのう。」
「師匠の読みも流石です。」
「まだまだ若いもんには負けてられんからのう。」
そして、沈黙が場を支配しお互いに構えたところで宗次郎が言う。
「そろそろ、終わるかのう。腹も減ったしのう。」
続いて宗太が「わかりました。今日もありがとうございました。」と言い道場を後にした。
1人になった宗次郎は思っていた。
(あの年でここまできよるとは、我が孫ながら末恐ろしいのう。)