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運命変革デウスエクスマキナ  作者: 読書家の猫
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第5話「新天地と、正夢」

詠美は歓喜した、みんなのヒーローになれた、みんなを守れたんだと。

宗也は安堵していた、誰も傷つかず、みんな無事だったことに。

だが、悠の心の内は、違っていた。

たとえ、化物だろうと何かを殺してしまった、なのにその手にはなんの感触もなかった。

さらにこれがこれから先何度もあると。

少年は恐れた、自分はあと何度これを続けないといけないのか。

そして、彼はそれを考えないようにした、これ以上考えてたら頭が痛くなってくる。

「そういえば、名前を聞いたなかったのです、1号機の方は?」

「僕は月白宗也・・・えっと、あなたは?」

「私は七瀬詠美です!よろしく!」

「俺は竜崎悠、よろしくな」

「はぁ・・・案外うまく動かせたのかなぁ・・・」

「私的には二人ともかなりいい線いってると思いますよ」

「そうかな?嬉しいよ」

「3人とも、お疲れ様、よくやったよ」

唐突に眼前のディスプレイに吉川の顔が映る。

「吉川さん!ありがとうございます」

「二佐!ご無沙汰してます!」

「えっと・・・初めまして・・・」

「もう迎えも来た、一旦気体を屈んでくれるとありがたい」

「あ、はい!」

その後、大型の輸送機が、3機の直上に来た。

「改めて思うけど、よくこんなでかい鉄の塊を運べるなぁ・・・」

そんなどうでもいいことを考えつつも、機体を屈ませた

「コックピットを開けるぞ」

「分かりましたー」

後ろで何かが動く音がして振り返ると、先ほど入った入口が開いていた。

「ほんと、よくあるロボット系と比べても実際はかなり違う物なんだなぁ・・・」

そんなことをつぶやきつつ外へ出た。

その後輸送機でそのまま向かうことになった。

だが、先ほどの戦闘で疲れ、椅子に座ったとたんに強い眠気に襲われ、そのまま寝てしまった。

 

気がつくと、目の前にちゃぶ台とテレビが置いてあった。

そしてここはなんなのか気づいた。

そうだ、これは夢だ、さっき寝たばかりなんだしそりゃそうだろう。

とりあえず、座ってテレビ見ると。

さっきの月城君と七瀬さんとどこかアニメでよく見る基地のようなところを歩いていた。

工事現場あたりに差し掛かった時。

そのとき、急に足元が陰になった。

そして、見たのはあまりにも、恐ろしい光景だった。

頭上から、鉄骨や、工事現場の足場が降り注ぐ。

それは月城や七瀬の体を貫き、俺の足を貫いていた。

「なっ!?ど、どういうことだ!?」

残ったのは赤黒い血だまり、そして、もう辛うじて人であったとわかるぐらいまでつぶれた肉塊だった。

思わず胸から吐き気がこみ上げてくる。

「なんなんだよこの悪夢・・・」

さらに遠くから先ほどのアンノウンがこちらを見ていた。

見るな、こっちを見るな!やめろ!?やめてくれ!。

早く冷めてほしかった。

こんな夢見たくはなかった。

覚めろ覚めろと祈った、どんどんアンノウンが近づいてきたが、

気がつけば目が覚めて、輸送機の椅子から飛び起きてた。

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

幸い、シートベルトで固定されてたので、跳ねはしなかった。

「え、どうしたんですか!?」

「うわぁっ!?」

「あ・・・れ?覚めた・・・?」

「も、もう!驚かせないでくださいよ」

「びっくりした・・・」

「ご、ごめん、なんか嫌な夢見てね・・・」

夢にしては妙に印象がとてもあった。

いつもすぐ忘れるようなものなのに、なぜかしばらくたっても忘れることはなかった。

 

輸送機を降りると、目の前にはとてつもなく巨大な滑走路や、倉庫、管制塔など、

本来一般人がよっぽど見ることのない光景が広がっていた。

「うわぁ・・・自衛隊とかの基地って初めて見たわ・・・」

「どう?すっごいでしょ!」

「テレビでは全くわかりませんからね・・・こんなに広いなんて・・・」

「どうだい・・・?感想は」

「いやぁ・・・むちゃくちゃ広いですし、向こうで戦闘機っぽいの飛んでますし・・・もう驚きしかでてきませんわ・・・」

「はは、そうかい、でもまだここは建設途中でね、まだまだいろいろ増えていくよ」

「え?ここって最近できたところだったのですか?」

「いや、もともとあった航空自衛隊の基地を改造して作られてるからね、今も絶賛建造中さ」

「へぇ・・・そうなんですか・・・」

「あ、私は報告に行かないといけないから、17時までは自由にしてていいよ、17時には中将の執務室まで

来てくれ、案内は任せたよ七瀬ちゃん」

「了解です、吉川さん!」

「よろしくおねがいします」

おずおずと礼ををした月白を見てなぜか七瀬はため息をついた。

「月白君、別に私まで敬語にしなくていいんですよ?疲れませんか?同年代なんですからもっと楽にいきましょうよ!」

「う、うん」

「それじゃぁ、行きましょー!」

なかなかハイテンションだが、かなり良い人のようで良かった。

その後基地の色々なところを案内してもらった。

その中、工事中の所を差し掛かった時、あの夢の光景と今見ている場所が同じところだと気づく。

もしも夢の通りのことが起きるのだとしたら・・・。

「二人とも?ここ通るのやめない?危なそうだし」

「え?どうして?」

「嫌な感じがね・・・どうにも」

「うーん、ならここ通るのやめようよ」

「夕君も言うなら辞めるのです・・・」

と来た道を戻ったその時。

轟音と共に上から鉄骨が、足場が大量に降り注いだ。

「な!?何が起きたの!?」

「・・・まさか本当に起きるなんて・・・」

「ど、どういうことなの?」

「・・・さっき夢でこんな光景を見たんだ・・・」

「まさか!?そんなオカルトじみたことが本当に起きるんなんてあり得ないです!?」

「俺もわからないよ・・・」

「この世には人知ではわからないことがあるかもしれないんだろうけど、本当に起きるとは思わなかったよ」

・・・もしかしてあのロボットに乗った所為とか?

まさか、そんなことあったらおかしい。

あり得ないことだ、普通なら。

だが、どうにもそんな気がしてならない。

そんな思いを抱きながらも、そろそろ時間なので、中将さんの部屋に行くとしよう。

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