SIDE アタデルベ国の王城
時間軸としては大体ラルが王女にあったときごろ
アタデルベ国の中央都市アタデルベにある王城で、国王アタデルベ・ダンガ・モンノは自身の持つ特殊部隊の部下から報告を受けていた。
「なるほど、鬼神の歴史及び、鬼神とその他仲間たちの構成はこれか」
鬼神が入国したという報告を受けてすぐに、各貴族に刺激しないように通達して鬼神のことを調べていた。この国には、国王の命令を受けありとあらゆる調査を行う地球でいうなら忍者のような組織があるのだ。このような組織を使い、ありとあらゆるところから情報を受け取ることによって国王モンノは様々な危険を排除してきたのである。
「鬼神が過去に出現した記録は・・・今いる鬼神とはまた違うやつだが、寿命で死んでいるようだな」
「しかし、怒りによって4つの国が滅びたともされています」
「・・・改めて記録をさかのぼると恐ろしいな」
「幸いなことに、今のこの鬼神は仲間に手を出しさえしなければ大丈夫そうです。まあ、誰にも鬼神は手を付けていないようですが・・・・」
「だが・・・・」
その今いる鬼神、ラルの仲間たちの構成、姿を映した絵を見てモンノは思った。なお、カメラのような魔道具はこの世界にはすでにあり、半ば盗撮に近いものである。
「見た目が美女ともいえるやつばかりではないか?これだけの美女たちに囲まれても手を出さないその理性の強さにある意味尊敬を抱けるな」
「そのようですね」
ソティスやカルミア、タマモ、ルミ、ミウの写真を見てそう思った。
ぶっちゃけ、彼女たちは結構きれいな部類にあたる。
「貴族の中に手を出そうとしてくるものが確実に出てくるな」
「この中のうち、二人はラミアと雪女ですからね」
この二つの種族から生まれる子は基本その種族のままである。この国では貴族家でその家を継げるのは何か特別な理由がない限りは基本的に男子が優先される。つまり、もし手を出して子供ができたとしてもラミアと雪女、つまり家を継ぐことができない女が生まれるので別に家の継承権を気にしないでできるのだ。
「この二人に手を出すのが多そうだな。また、特殊な性癖があるものはこの剣精霊とやらに手を出すかもしれん」
「残った一人もスタイルがいいですからね。となると、全員貴族が手を出してくる可能性が高いです」
「うむ・・・だが、手を出してくれさえすれば逆にその貴族家をつぶせる。そういう事をする輩には不正などがあるからな」
「では、黙って見ていろと」
「そうだな」
現状は見ているだけだ。まあ、下手するとその貴族どころか国が滅ぼされかねんが・・・・・。
「どうにかしてこの鬼神とのつながりがほしいな・・・・」
「この国が滅ぼされないためにですよね・・・」
国王はこのことにより、悩みまくって余計毛根が死滅していったという・・・・
ちなみに、城内では国王の髪の毛が完全に死滅するのはいつになるのかという賭けも行われているそうな。




