第83話 水上都市
こういったところもまあ書いてみたいと思ったわけで
ルーン姫と別れ数日、俺たちは新たな街についていた。
「水上都市か・・・」
「なんか珍しいですね」
その町はでかい湖の上にあった。湖の陸地の上から見える。というか、向こう岸が見えないけどこれ湖か?
様々な建物がいくつかのいかだに設置されており、その建物といかだの間に木の板で通路が作られていた。
湖の端からっ通路があり、向こう岸へ渡れるようにできている。
「この湖は『クイナ湖』と言って、アタデルベ国最大級の湖だそうです。で、あの町の名前はクイナらしいです」
地図の説明を読みながらソティスが言った。湖の名前そのままか。
「でも、なんでわざわざ湖の上に町を?」
「なんでも、この湖にはなぜかモンスターが生息していないらしく、ここが一番安全だったからのようです」
この世界、いたるところにモンスターはいる。今までの街だと冒険者とかが在住しており、その人たちに守られているので安心である。だが、強いモンスターは当たり前のようにいるので必ずしも安全ではない。
しかし、この湖とその周辺にはなぜかモンスターが生息せず、近づいても来ないのでいつしか湖の上に町が作られていたという。
でも、モンスターが出るのは当たり前のようなので、それが嫌で逃げた人たちが集まっているのでこのクイナは別名『臆病者の街』ともいわれているそうだ。
「しかし、湖の上の町か・・・」
「耐久性が心配じゃな」
町の通路になているのが木の板だが、見た感じ薄くて俺の金棒の重さと、カルミアの体重で壊れそうで不安なんだが。
ちなみに、何キロとは聞いてはいない。ラミア族に体重の話は完全にタブーだそうだ。下半身の蛇の部分が相当重いらしく、気にしている人が多いという。まあ、それ以前に女性にそんなこと言うのがダメなんだけどね。
「金棒はポーチに仕舞えるけど、カルミアはな・・・」
何せよ、この先へ進むにはこの町を通過したほうがいいらしい。迂回は、湖がでかすぎてかなり時間がかかるそうだ。まあ、急ぎの旅でもないし、迂回してもいいが・・・・。
「この町限定のものが多いようですからね」
この湖、モンスターがいないのだが、魚があほほどいるらしく、港町とはまた違った魚料理などがあるという。
こういう食べることも旅のだいご味だよな。
というわけで、町までの木の板の上を歩いて・・・・
ぎぎ・・・・ぎしし・・・
「・・・ものすごくやばい音しかしないが」
「一応馬車とかが渡れるようなのでそこそこ頑丈らしいですが・・・」
町まで歩く道のりが恐怖であった。なお、カルミアは涙目であった。このメンバーで一番重量あるのはカルミアだもんな・・・・。ミウは、剣だから、このまま道が折れて湖にドボンは嫌だといって自ら無限ののポーチに逃げたよ。
ぶっちゃけラミアにとっては体重は恥ずかしい話題だそうで、その話で流血沙汰になったことがあるそうな。
この水上都市での体重制限は一応かかっていない。自己責任でだとさ。




