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SIDE ルーン姫&ソティス達

SIDEはまあ、他の視点からの話。


「ふーん、ラルっちの旅って目的がないのか」

「そうですね。これといった目的がないんですよね」


 宿の一階にてラルが100人抜きの説明を聞いていたころ、二階では女の子だけの会話がなされていた。なお、今回は王女もいるので女の戦いは休戦である。


「それにしても、鬼神ってそんなにやることないのかな?」

「鬼神様は自由を求めますからね」

「お兄様は何者にも縛られずに世界中を見て回りたいと今は思っているんでしょうね」


 ルーン姫の疑問に、タマモとミウは答えた。ちなみに今は剣の姿から人間のような姿になっている状態である。その姿を見たルーン姫とミウの友情は同士(持たざる者)として深まったそうな。


「『今』は?」

 ふと、ミウのその言葉に何かが含まれているような気がしたのでルーン姫は尋ねた。


「まあ、今は自由に旅ができていますけど、そのうちどこかに落ち着きたくなってくると思うんですよね・・・」


 ミウは知っている。前世でラルがぽつりと「縁側で茶飲んでのんびりしたいな・・・」といったことを。


「いつまでも手に職がない状態で旅し続けるのも大変になってきますし、そのうちどこかに落ち着くと思いますよ」

「そういうもんか」

「そういうもんですよ」


 旅の資金としてはサラマンダーの鱗を売った金を足してまだ余裕はある。しかし、いつまでも世界中を回れないだろう。


「はっきり言って、ラル殿の力は強すぎるからのぅ」

「強いですもんね・・・」


 ラルと戦った経験のあるカルミアとタマモはその力の強さを心底理解していた。他のメンバーは戦ってはいないものの、ラルの強さをよーく知っている。襲ってきたやつらを返り討ちにして逆に蹂躙しているレベルだからね。


「そのうち、他の国から干渉がかかってくると思うのじゃ」


 神々もたまーに、地上に出る。そのためあんまり神とかそういうのは珍しくはない。だが、彼らはこの世界ではかなり力が制限されていて、この世界で生まれた神と比べるとはるかに弱い。


 だが、ラルは違った。ラルの鬼神の身体はこの世界を管理している女神が嫌っている神々がその力を注ぎこんで作った特注品みたいなものだ。最初っからそのまま鬼神の力を使えるのだ。つまり、神々その者の本来の力を制限なしで。ただし、魔法はいまだに使えず。


 しかし、力だけでもかなりのもので他国にとってはかなりの脅威ともなる。


 今はまだそこまでは広がっていないが、いずれ鬼神の噂を聞きつけた国の中から何とかして国に取り込もうとする輩が出る可能性があるのだ。


「あまり目立たないようにしたいですよね・・・・」

「まあ、うかつにラル殿を怒らせればやばいと思う国もあるじゃろうし、しばらくは大丈夫じゃろうがな」

「ソティスっちたちも苦労しているよね」


 ソティス達の反応を見る限り全員が苦労しているような気がしたようなルーン姫だったが、女の勘で全員がラルが好きだから一緒にいられるんだなと思った。


 そのあとは気軽な女子トークが進んでいったという・・・・・。


強い力を持った者に対する反応ってどの世界でも共通だよな・・・・。

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