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第76話 なぜここにこの国のお姫様が

ミウ沈黙中・・・・しゃべるとまたややこしいことになりそうだった。

 模擬戦をした後、ガントレットを掘り起こしてルーン姫に返してあげた。


「いやー、あたしに勝った男って久しぶりだよ」

「まさか姫様を負けさせるとはな・・・」


ルーン姫は高らかに笑い、護衛騎士団団長モノアブ将軍は驚いた様子であった。他の護衛たちも驚いている感じだな・・・・。


「あんた人間に見えるけど、その力人間離れしているじゃん。いったい何者なんだい?」

「ええと・・」


 いうべきなのか言わぬべきか・・・・まあ、隠すほどじゃないしいいか。


「鬼神です」

「鬼神かそりゃ強いわけ・・・・って鬼神?」

「はい」

「・・・となると、隣のガント王国にてなんか倒したとかいうやつか」

「あー、たぶんあってますよ」


 すでに国を超えてのうわさになっていたか。まあ、別にいいが。


「鬼神ねぇ・・・よし、お前チョットあたしの仕事手伝え!!」

「はい?」



 そもそも、この国の第1王女様が何でこんなところにいたのか。


「それはな、この先にある町の酒蔵にできた物に用があったんだ」


 ルーン姫は昔からたたくのが好きらしく、姫なのに冒険者登録までした強者らしい。で、たまたまてに入った情報だと俺たちが行こうとしていた町の中にある酒屋の酒蔵にあるものが出現したという。


「『ダンジョン』ができていたんだって」

「ダンジョン?」


 聞くところによると、この世界には剣と魔法がある世界だけあってダンジョンなるものが存在するらしい。ある日突然どこかに出現し、階層が積み重なっている構造でできているという。そこでは様々な鉱石や薬草、モンスターなどが存在するという。


「で、酒屋のおっさんがギルドにこのダンジョンのコアの破壊依頼が出ていたので向かっていたわけよ」


 ダンジョンは最深部にあるダンジョンコアと呼ばれる部分を破壊すれば3日ほどで自己崩壊を起こすという。ダンジョンから出る者は珍しいものが多いが、酒蔵にできていたのが問題だった。


「酒屋としては思い出のある土地だからここから離れたくない。でも、酒蔵にダンジョンがあるのは嫌だという理由だからだって」


 それで依頼を受けて向かっている途中に事故を起こしたそうな。


「事故の原因はスリップのようじゃが・・・・本当は?」

「姫様が早く着きたいとか言ってちょっと暴れたのが原因です・・・・」


 カルミアがモノアブ将軍に何か聞いているな。


「でだ、ダンジョンは危険だからあたしだけだと不安だったから騎士団連れてきたんだが・・・あたしより強いお前がいればより安全かと思ってな」

「言っておくけど、冒険者登録していないからな俺ら。ダンジョンに行っても得はないんだが・・・」


 依頼を受けた冒険者が報酬を受け取れるからな。冒険者じゃない俺たちには利益がない。


「ダンジョン内で得たものすべてでどうだ?あたしは王女だし、金には困ってないからな」


 ちょい相談。



「どうおもう?」

「結構な利益になりそうですが・・・」

「ダンジョンは危険と聞くのぅ」

「鬼神様なら大丈夫だと思いますよ」

「ラルなら大丈夫」


 全員一致で受けるか。



「じゃあ、一緒にダンジョンに行くか。ただし、彼女たちも一緒でいいか?旅仲間だが、彼女たちも強いぞ」

「いいよ!それじゃあ、護衛騎士団団長モノアブ将軍!あたしたちがダンジョンから出る間で宿で待機!!」

「ちょっと姫様!?嫁入り前なのに他の男と一緒に行くなど」

「こんだけ女の子を侍らせているようだからあたしには手をださないでしょ」

「侍らせているつもりないんですけど!?」

「えー、鬼神とかなんかこう、力で彼女たちをあんなことや、そんなことしていそうだけどな?」

「ひどいイメージだ!?」


 なにげにものすごく傷ついた!!



「まあ、ダンジョン内ではよろしくね・・えっと、ラルという名前だからラルっちで」


 ずいぶんフレンドリーだな。まあ、ダンジョン行ってみたいし別にいいか。


「別に私たちはそういう扱いされてもいいんですけどね・・」

「わらわたちの気持ちに気が付かない超鈍感じゃからのぅ・・」

「父上公認ですからいつでも・・」

「慌てず、なんとかみんなよりも先に・・・」

「ん?何か言ったか?」

「「「「いいえ何も?」」」」


この時代、冒険者じゃなくてもダンジョンに潜れるんだよね。

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