第71話 獣王さんや・・・・
人は見かけによるかよらないか・・・・・。
ギルド内での模擬戦の後、俺たちは宿に戻った。
ギルドマスターとかいう人までが見に来ていたようで、冒険者にならないかと言われたが、なるつもりがないといった。旅しているからそんなに依頼とか受けることができないからな。
まあ、そのうち気が向いたら登録してもいいかもしれない。向いたらな。
宿にて、風呂に入った。
「あ~、疲れた~」
「にしても、ラル殿はものすごい力を持っているな。この私が負けるとは」
「鬼神ですからね」
あ、ちゃんと元の状態に戻したからね。力があの状態のままだと、とんでもないからな・・・。
「しかし、まあタマモが使える相手として選んだのもわかったよ。うちの娘だが、これからも仲良くしてやってくれ」
「まあしもべとかそういうふうじゃなくて仲間としてみてますが・・・それよりもガータナックさん、何をしようとしているんですか?」
なんか女湯との仕切りを詰めたてて登っているんだが。
「決まっているだろ・・・・覗きだ」
すがすがしいほど堂々と言ったよ。こんな人が王でいいのか獣人の国や。確か年に一度の大会で優勝している人が王になっているからな・・・もう少し人格とかで決めろ。あと、覗きの対象にあんたの娘が入ってしまうんだが。
女性陣が風呂に入っているのは音でわかる。だが、この獣王は知らない。カルミアたちが魔法などで鉄壁の覗き対策をしていることに。
このあと、青白い火の玉9連発を顔面に受けた獣王が壁から撃ち落とされたのであった。タマモ・・・父親に苦労しているな・・・・。
「おう・・・・まだ顔がひりひりする」
「自業自得ですよね」
タマモの狐火を顔面に受けたのに、意外にぴんぴんしていた。体頑丈だな。
「父上・・。覗きを二度とするなと母に言われていませんでしたか?」
タマモ達もあがってきており、ガータナックさんをにらんでいた。ちょっと怖いな。
「そういえば、何でガータナックさんだけここにいるんですか?」
そもそもなんでこの国に来ているんだろう?
「単に武者修行だ。王たるもの常に強くなければいけないからな。こうして日々鍛えているのだよ」
「といって、本当は母が怖いんですよね。父上は一度も母に勝ったことがありませんからね」
まさかの尻に轢かれていた獣王であった。
「あれ?でも確か獣人の国って一番強い人が王になるのでは・・・」
女王とかを聞いたことがないが。
「母が辞退して、2番目に強い父上が王になっているそうです」
「あと、今城ははっきり行って留守に近いな。わたしの臣下が切り盛りしておる。妻は今武者修行の旅に出ているからな。確かどこかの国1人の戦争をして1万の軍勢相手に勝っているんだっけな?」
ここに、タマモの母最強説が誕生したのであった。何この一家・・・・怖い。
タマモ母伝説
・1万の軍勢相手に無傷で勝利
・ワイバーンというドラゴンの亜種の群れ相手に勝利
・ギガンテス、サイクロプス相手に指一本で勝利
その他、etc ・・・・・・
「・・・俺より強くない?」
「鬼神様の力は未知数なので何も言えませんが、今のところ世界最強の獣人だそうです」
「相手にしたくないな・・・・・」




