第66話 吹き出しそうになりました
まあ、名前からわかった人はいると思うが・・・。
外に出てみると、服屋の周りには見るからに金で雇われただけのチンピラみたいな男どもが20人ほどいた。
「うわ・・・なんかあのバカの時みたい」
このときの俺の脳裏には以前のあのバカ野郎のことを思い出していた。今回は貴族相手ではないが。
「ほう・・・お前があの女たちを率いているやつかいな」
エセ関西弁みたいな話し方が聞こえ、その方向を見ると・・・・
ゴリラそのものみたいな男がいた。いや、なんか人間みたいだけど見た目が完璧服着たゴリラ・・・・
「ぶっつ!?」
あっぶねぇぇえ!!いまものすごく吹き出しかけたよ!!なんとなくだけどこいつがラリゴか!?
「なんや人の方見て勝手に噴き出すなんて」
「あの・・・ゴリラの獣人の方ですか?」
「ちゃうわい!!ワイはれっきとした人間やい!!」
あかん・・・・笑いをこらえすぎて腹が痛くなってきた。ここはいったん深呼吸・・・。
少し落ち着きました。
「ということは、お前が昨晩ンソティス達を攫おうとしたやつらの親玉だな!!」
「ほう、となるとあんさんがあの影組をおそれさせたやつか。まだ若造やないか」
あー、ものすごく笑いたい。この人いちいち体全体で動いているような動作して曲芸にしか見えないなあ・・・。
「こんな真似をしてタダで済むと持っているのか?一応昨日返してやったやつに忠告の伝言をしておいたはずだぞ?」
「ふつ、あんさんわかっていまへんな。男なら、狙った獲物は必ず奪うべきだろうがぁぁぁぁ!!」
狙う対象間違えていませんか?あと、ガッツポーズみたいなことしないでください。俺のお腹が笑いで死んでしまいます。
「で、こうやってチンピラ集を率いてきたわけか。こうやって仲間を集めて自分は高みの見物みたいで、まるでお山のたいし・・ぶっ」
サルを思いついてものすごく笑いたくなった。
「なんでワイを見て噴き出すんや!!お前達、あの女たちを攫ってこい!!」
ああ、やっぱあのバカと同じパターンか。こういうタイプってわかりやすいというか、なんというか・・・。
しかし、相手が悪かった。俺が手を出す前にソティス達はすでに魔法を放っていた。なんか笑いをこらえた様子で。どうやら彼女たちも笑いたいようである。
そして、あっという間にチンピラどもがきれいに吹きとびました。俺の出番ないな・・・・・・。
「ちいっ!だが、これで終わるわいと思うなよ!!」
「なんだ?」
ラリゴが懐から出したのは、なにかが入っているような瓶だった。濁ったような感じで何が入っているのかわからない。
「あれは・・・魔道具かの?」
「たしか『封印の瓶』です。モンスターを閉じ込め、その所有者の命令を聞くようにするとか」
モン〇ター〇ールみたいなものか?ちょっと違うかな?
「やってしまえ!サイクロプス!!」
ラリゴがそう言って瓶のふたを開けると、その中から煙が出てきてその場に巨大な単眼のモンスターが出現した。って、サイクロプスか・・・。
「そいやっさ」
以前にも倒したことがあるので、素早く接近して金棒をサイクロプスの右足の脛にぶつけた。
どごおぉぅ!!
「ごぎゃぁぁ!?」
恐ろしく痛かったのか、サイクロプスが足を抑えてかがんだ瞬間、前とは違って上から頭を真下に金棒で殴りつけた。かがんでいたので後頭部に直撃し、そのまま頭が下にたたきつけられる形でもげたのであった・・・。
うん、今度はきれいにもげたな。金棒の扱いが上達したのかきれいなもげ口となっている。
「な・・!?バカな、サイクロプスだぞ!!」
「あー・・・ラル様ですもんね」
「そりゃ相手には・・・」
「お兄さま相手ですからね」
「鬼神様を相手にしたのが悪い」
ラリゴは納得できていないようだが、他の面々は納得した模様。というか、そのうち俺の名前で納得していくようなことにならないよな?
「さて、あんたの切り札もどきみたいのも終わったがどうする?」
流石に彼女あっちに危害を加えようとしたことは許せないからな。
俺が怒気をはらんだ笑顔でそう言い放つと、ラリゴは余りのショックのせいか気絶し、その場に倒れ込んだのであった。たったこれだけで気絶って、どんだけ本当は小心者だったんだこいつ?
「封印の瓶」
魔道具の一種。中に特定のモンスターを閉じ込めて瓶の持ち主のいう事を聞かせることができる。ただし、1瓶に1体までしか入らず、この魔道具自体も超高級品で数が少ない。モンスターが死んだ場合はただの瓶となる。モンスターを閉じ込めるには弱らせる必要性がある。
なお、必ずこの中に入れられると言うわけではなく、たまに逃げる。特定のモンスターとはサイクロプス、トロール、ギガンテスなどの大型の人型モンスターに限られる。




