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第62話 だからなんで俺?

カルミアの服?上しかきれてないよ。下の部分はスカートみたいな感じ。

 服屋エドモの社長兼デザイナーのヤマダさんに連れられて、俺たちは町の一角にあった店の中の奥部屋で話をすることになった。というか、ソティス達も一緒である。先に宿屋に行ってくれと言ったが、俺と行動していたいという事である。まあ、服装がきれいに整えられすぎて街中の男たちの視線集めてたもんな・・・。俺に来る視線が超痛い・・・。鬼神って、こういった精神的な攻撃で死ぬような気がする。


「えっと、まずは少し謝らせて?」


 何かお願いするような姿勢で手をすり合わせるヤマダさん。どうでもいいけどデザイナーってこういう感じの人がやっっているイメージがあったが、まさかその通りとは・・・。


「何を謝るのですか?」

「えっと、あなたの彼女たちを勝手にああやってきれいにしちゃったことかな?」

「彼女・・・あー、旅の仲間で別に彼女というわけじゃないんだが・・」


 その言葉にソティス達がなんかがっかりしたような顔したが何でだ?


「あらそう。いやだってね、この店に入ってきた彼女たちの素材の高さについね、もっと磨けば光る原石のようで、ついああした感じにしちゃったのよ」

「彼女たちが可愛くて美しいのはわかるが・・・・服代以外にかかっているよね?」


 髪とか肌の状態を見る限り、一度風呂に入れられて整えられたって感じである。


 というか、今タマモが顔からすっごいゆげ出しているんだが・・・・。他の皆もなんか顔が赤いし。ミウだけ剣の姿に戻っているからわからないが。


「全部タダよ。こっちからお願いしちゃったんだもん。それで、彼女たちに姿見て思ったんだけど・・・モデルにならないかなっと?」


 どうもこの世界にもモデルの仕事があるようである。ファッション雑誌などはないが、貴族向けのモデル写真を送るものである。


「あれ?でも・・・俺じゃなくて彼女たちに聞けばいいんじゃ?」


 なんで俺に許可みたいなのを求めるんだ?


「いやだってじゃな・・・わらわたちには」

「そういうのがですね・・・」

「いまいち」

「わからないんですよね」


 そういや、この人たちこういったことなんかは知らないような人ばかりである。奴隷、民族、山暮らし・・・うん、わからないよな。タマモはなんか知っているようなそぶりを見せているが・・・。タマモって奴隷の前って何やっていたの?



「それで、ラル様に決めてもらおうと思いまして・・・」

「なるほどな。って、だからなんで俺?」

「このメンバーの中でのリーダーじゃからな」


 ああ、なるほどね・・・・。


「うーん、みんなは別にいいと思っているの?」

「・・・ちょっと嫌ですかね」

「わらわはラミアじゃからあまり服がないし・・」

「私は少し困ることが・・・」

「山暮らしで一人だった身から考えると怖いです・・・」


 なるほど、みんな一応いやなんだな。だったら話は早い。


「その話はなったことにしてください。彼女たちも乗り気ではないようですし」

「あら残念。・・・そうね、無理強いは良くないわね。そんなことをしたらあの服屋と同じだもの。わかったわ、あきらめましょう」


 あの服屋って何だろうか?とりあえず、モデルの話はないことになったのであった。・・・なんか惜しいことしたような気もしなくはないが・・・。


 まあ、宿屋にいったん泊まりますかね。


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「ふむ、かなりの美女ぞろいではないか」

「エドモがモデルに誘ったそうですが、断ったようですね」

「くっくっくっく、うちのモデルに強制勧誘してやるか。モデルついでにワイらの女にできればいいがな」

「ええ、一応彼女たちは今夜この町の宿に泊まるようです。眠り薬でもまいて眠らせてさらってきましょうか?」

「ああ、やってしまえ」


 服屋エドモがある町の離れた一角にある別の服屋。そこで、そのようなやり取りが行われていた・・・。



さてさて・・・・

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