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第59話 合流までの道のり2

違う視点とかって結構面白いんだよね。

「あー、日が暮れてきたな・・・」


 どうやら日が暮れてきたようである。夜目がきくとはいえ、夜の道は危険だ。


「どうしましょうか・・・・」


 ルミも不安げである。現在地は森の中。クマ型のモンスターとかも出るので、夜の森を進むのは危険である。一応俺一人なら別にいいんだが、ルミが一緒なのでそうはいかない。ソティス達と合流が出来さえすれば交代制にしてゆっくり眠れるんだが・・・。


「仕方がない、いったんここで焚火をしよう。ここで火がついていればタマモ辺りが気が付くはずだ」


 彼女たちなら気が付くだろうからな。


「ということは、今夜はこのあたりで寝るのですか?」

「そういう事になるが・・・まずはさっさと焚き火用の木を作るぞ」


 そういい、俺は近くにあった手ごろな木を金棒で根元からへし折った。


ずしぃぃぃぃぃん


「・・・ちょ、直接木を折るんですね」

「ああ、こうしたほうが早いからな」


 そのあと折った木を細かく砕いていく。拳、金棒で砕き、手で折ってゆく。そして、ある程度の大きさになったらそこで火を・・・。


「あ、ソティス達がいないから魔法で火を起こせないか」


 そこすっかり忘れていた。そういや、俺は魔法が使えないからソティス達に火をつけてもらっていたんだっけ。


「ルミは火を起こせないのか?」

「私は雪女ですので火の魔法は・・・。山に暮らしていた時もかき氷で暮らしていましたし」


 そこは雪女のイメージ通りか。というか、かき氷しか食べたことないのかな?


「しょうがない、何とか火を起こすか」


 前世の習い事の中にサバイバル知識があって助かったよ。火のおこしかたがちゃんとあるもん。


 まず、木の板と棒を用意いたします。本当ならもっと楽にできる方法があるけどここはあえて原始的な方法で。


「おらおらおらおらおらおら!!」


 思いっきり棒を回して、木の板とこすらせると、さすがに鬼神の怪力のおかげであっという間に火が付いた。ここから落ち葉などの燃えやすいものに少しづつ火を移していき、最終的に薪に点火した。


 ぼうっ!


「よし、火が付いたな」

「すごいですねー」


 一応、火を起こしている間にルミには木の実なんかを集めてもらった。山暮らしをしていたから得意だとか言っていたがしばらく待つと・・・。


「・・・多くない?」

「なんかたくさんありました」


 大量にとってきちゃったよ。何でもかなりの量がなっていたそうな。そういや、以前山の神がお礼とかで山にいったら果実とかが大量になるようにしたとか言っていたな。まさかこんな時にその恩恵にあずかれるとは。感謝です。


 木の実はいくつかは火で焼き、水分が多く含まれるものはそのままかぶりついてのどの渇きを潤した。あ、毒のあるなしなんかもルミが確認済みである。



 たらふく食べて、満腹になった。まだいくつか余っているが、まあ、持ち運べる分だけ持っていこう。無限のポーチは確か今はソティスが持っているんだよな・・・。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「うわぁ、暗くなってきましたね・・・」


 森の中、ソティス達はラルが飛んでいった方角目指して歩いていた。


「いったんここで休んだ方がよさそうじゃな。ラル殿が我々の方へ向かって歩いてきているだろうが、暗くなってきたらそこで休憩するとか言っておったからな」

「山賊とかが不安ですね」

「ん?お兄様反応が近いです!!」


 ミウにはラルが近くにいることが分かるようである。


「ん?なんかあそこちょっと明るくないですか?」


 ソティスが指さした方向を見ると、焚火のような光が見えた。


「誰かがたき火でも・・・あ、ラル殿かな?」

「鬼神様今行きます!」


 しゅばっつ!!


 カルミアの「ラル」の言葉だけで素早くタマモがその光に向かって走った。


「あ!ちょっと待ってください!!」

「単独行動は危険じゃぞ!!」


 慌ててソティスとカルミアも追いかける。なお、ミウは剣状態でタマモの腰に帯刀されている。



「鬼神様ご無事でしょうか!!」

「お!タマモ!!」


 タマモがその場所にたどり着くと、彼女たちが追いかけていたラルの姿がそこにあった。


「き、鬼神様ーーー!!」


 そのままタマモはラルめがけてダイブした。その瞬間、


がしっつ


「へぶっ!?」

「何抜け駆けしておるんじゃ・・・」


 そのしっぽをまとめてカルミアの蛇の部分に絡みつかれ、顔面からタマモは地面にダイブしたのであった。


「いたたた、まさか木の根につまずくなんて・・・」


 なお、ソティスは途中でこけたようであった。



やっと合流。

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