第56話 飛ばされた先にて
よく考えたら命綱つけたら剣も一緒になって飛びそうだからそっちを先にどうにかしないといけないな。
ひゅーーーーーーーーん・・・・
「おっ、やっと着地できるかな?」
ミウに空を飛ばせてもらおうと思ったら、まさか投げ飛ばされて飛ぶとは・・・・。
長く飛び、やっと放物線上に落ち始めた。鬼神のこの体なら一応命は落とさないだろう。
「着地予想地点はっと・・・」
体をひねり、何とか前の方を見た。
「あのボロボロの建物か」
どうもこの感じだと、着地地点はもうすぐ激突するあのレンガでできているよう大きめな建物に突っ込んでしまう感じである。まあ、金棒で壁に激突する前に穴をあけて着地すればいいか。最悪そこから崩れても素早く脱出すればいいからな。
そう思い、空中で器用に金棒を構えて壁に穴をあける用意をしたのであった。見たところ、誰もいないようなぼろさだし大丈夫だろ。そういや、どうやってソティス達と合流しようかな?
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「あなたたちはいったい何が目的なんですか!!」
「へっへっへっへ、みりゃわかるだろ?」
「俺たちはあんたをここで犯すのさ」
「なんですって!!」
かつては作物を収納していた大倉庫。だが近年、このあたりでは作物があまりよく育たず、収穫量が乏しくなりこの倉庫は使用されていなかった。そして、このあたりの農村はこの大倉庫の存在を忘れているのであった。
その倉庫に、今ごろつきマッチョの男二人に、何やら全身が白めの女の子が追い詰められていた。
彼女は普段このあたりにはいない娘だった。彼女はもっぱら雪山に住んでいた。だが、最近同族を見かけなくなり、こうして降りてきたところをこの男たちに追いかけられてきたのである。昔から山に一人で住んでいて、男に免疫がなかった彼女は恐怖で逃げたのだ。
男たちは彼女が美しく、襲いたかったのである。つまり、最低な人間。
「げへへへ、さあ、観念しろ!!」
「このあたりには人がいないから助ける奴なんて、もうい、」
どがぁぁぁぁぁぁぁん!!
「でやあぁぁぁぁ・・あ?」
いきなり壁が外側から破られ、何者かが飛び込んできた。
その何者かはそのまま空中を三回転して着地を決めた。
「ん?なんだこの状況?」
どうやら青年ぐらいで、手には何やら物騒な武器のようなものを持っていた。倉庫内は壁に大穴が開いたとはいえ、日の光は入りきっておらず、青年の姿はよくわからない。
「な、なにもんだてめぇは!!」
「なにもんって言われても・・・投げ飛ばされて来た旅人です」
「「「答えになっていない!!」」」
つい、少女と男たちは同時にツッコミを入れてしまった。
いったいこの人は何者だろうか?だが、どことなく安心できそうな気がした。
「あの!どこのどなたか知りませんが助けてください!!襲われているんです!!」
「な、黙れこの女!!」
「ほう、なるほど。どうやらあんたらはろくでなしのようだな。いつぞやかのごろつきと同類という事か」
「はんっ!俺たちには向かう気か?俺たちを誰だと思っていや「隙だらけなんだが」へ!?」
ぼぎっつ!
「ぎゃあぁぁぁぁぁ!?」
男の一人が、あっという間にその青年の振りかざした武器によって腕がおられた。
「余裕こいてしゃべるからだよ」
青年は見るからに重そうな武器なのに、まるで手と一体化しているかのように武器を扱っていた。
「ぐ、黙れこの野郎!」
「腕はまだ片腕しか折れてねぇぞ!!」
男たちが二人がかりで青年を襲う。少女は危ないと叫ぼうとしたが、青年は余裕そうな態度であっという間に男たちを軽くその武器を振り払ってかっ飛ばした。
そして、男たちは空の彼方へと飛んでいったのであった。
さすがに少女は唖然とした。あっという間に先ほどの男たちを空の彼方へふっとばしたその青年。
先ほどの男たちのような人間にも見えたが、どこか違うと感じた。
「おい、大丈夫か?」
青年が少女に向かって歩いてきた。その時、ちょうど日の光が青年にあたり、その姿を見て取れた。
顔立ちは整っていて、髪と目の色は黒く、まるで少女の正反対の色のように思えた。
そして、少女の胸がときめいたのであった。
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「おい、大丈夫か?」
どうやら飛び込んだ先は犯罪の一歩手前の状況だったようである。明らかに危険な男たちを空の彼方に吹っ飛ばしたが、まあ、あれぐらいなら死んでないだろ。
助けた少女は大体ソティスと似たぐらいの年齢のようであった。背丈も似てはいるが肌が雪のように白く、目や髪の色も真っ白だった。だが、それでも顔つきが分かるから不思議である。胸はソティス以下ミウ以上ってとこか。
きれいだとは思えるが、どう考えても人間じゃない感じがする。なんか肌寒いし。
「え、ええ。ありがとうございました。おかげで助かりました」
なんか少女はやや頬を赤らめていった。肌が白いから変化が分かりやすいな。
「危うくあの男たちに体を好き勝手されるところでした」
「あー、やっぱろくでもないやつらだったか」
手加減なしで肉片にしてやればよかったかな?
「あの、あなた様のお名前はいったいなんでしょうか?あの男たちを空の彼方へ吹き飛ばしたその力、常人のように思えないんですけれども」
まあ、そりゃそうだよな。
「俺の名前はラル。旅の鬼神さ」
「鬼神!?・・・ってなんですか?」
「ま、単にそういう種族名みたいなもんかな?神としても入るようだけどいまだに自分でもよくわかっていないんだよね」
「そうなんですか・・・あ、私はルミで、雪女とかいう種族です」
ゆ、雪女・・・9尾の狐がいる時点でいるのかなと思っていたけどいたのか・・・。
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「はっ!?」
「ぬっ!?」
「ん!?」
「んー!?」
同時刻、空を飛んでいったラルの方へ走っていたソティス達は何か感じた。
「なんでしょうかこの感じ・・・」
「何やら似たようなものを感じたようじゃの」
「鬼神様のほうに・・」
「絶対に・・」
((((ライバルが増えた気がする・・・))))
恋する乙女の勘って怖いですよ・・・・。




