第5話 森の一夜
今日はなんか乗ってるから連続投稿
とりあえず、日が暮れてきたので俺たちは眠れそうな場所を探した。
「この森から出てまた入るって・・・」
「きゃあ!スライムですわ!!」
ライナが叫び、そこを見ると一滴の大きな水の塊のようなものがあった。よく見ると、全身が脈動しているみたいに見えた。
「よっと」
ブチュン!!
金棒をたたきつけると、あっという間につぶれて破裂した。
「さすがあのごろつきたちを追い払った腕だけありますねラル様」
なんかキラキラ瞳でみられているが、今俺はそれ以上の問題に直面していた。
グギュウウウウウウウウルルルル
腹の音があたりに響いた。そう、空腹である。
「は、腹が減ってだいぶ力が出なくなってきた・・・・」
「大丈夫ですかラル様!?」
慌てて駆け寄って、少し前のめりになったラルの方をライナが支えた。
「いや、別にこの程度ならまだいいんだが・・・・」
前世にて断食までやらされた経験からすればまだましである。
「その、すこしだけ離れてくれないか」
「なぜですか?」
その二つの豊かなものがあったっているんだよ!!と叫びたかったが、何かの音をとらえた。茂みからか?
「ぶふぉぉぉぉぉむ!!」
茂みから出てきたのは、大きな豚のような生物だった。
「お、『オーク』ですわ!!」
なるほどつまりモンスターか。
本来、オークは様々な種族の雌をさらって繁殖していくモンスター。しかし、このオークは群れから追い出されたはぐれオークというべき存在だった。
彼はたまたまこの森にはいって、繁殖すべきためにメスを探していたのだ、そして、ライナの臭いをとらえてきたのである。
だが、これは彼の不幸でもあった。オークは見た目が豚に似ている。つまり、食用可能なモンスターでもある。そして、その見た目は焼けばおいしそうに見えた。
「肉だぁぁぁぁぁぁ!!」
「ぶもうっつ!?」
焼いて食べると即座にラルは判断し、速攻で金棒にてオークの頭をふっ飛ばした。
オークは自身の頭が吹き飛んだと気が付かずに即座に死んだのであった。そして、その場には頭のみがなくなったオークの体だけが残っていたのであった。
「よし、これを焼いて食べよう」
「え、え、?オークがたった一発ですか?さすがに強すぎですよ・・・」
意気揚々と頭を飛ばされたオークを焼こうとしたラルを横目に、ライナは驚いていた。
あのごろつきたを倒したラルの実力はもうわかっていたつもりだった。だが、今のオーク相手にはそれ以上の力で倒していた。軽く一撃である。
その強さに驚愕しながらも、ラルが前世の知識で火を起こしてそれで焼けた肉のにおいがしてきた時に考えるのをやめて、自分も食事に参加するのであった。
ちなみに、吹き飛んでいった頭は森から飛び出てそのまま空を飛んで行き、ある町にていきなりオークの頭が降ってきたという怪奇現象として扱われることになるが、それはまた別のお話。