SIDE ガイモンキ
閑話と書くよりも、こっちのほうが他人視点っぽくなってるかな?
「ん?なんじゃこりゃ?」
首都での呪いの巨人騒動があってから数日後、位置ものように日課の鍛冶仕事をしようとしたガイモンキは自分の仕事場に1つの武器が置かれていたのを目にした。
「こりゃ剣か?それにしてはえらい変わった形だな」
それはどうも剣のようなものではあったが、形が変わっていた。この世界の剣もはよくRPGとかに出るような形状のモノばかりでその形は見たことが余りなく、もしラルがこの場にいたら「日本刀じゃないのそれ?」とかいっていたであろう。
「えらい刃がボロボロだな」
このとき、ガイモンキの脳裏には一瞬あの呪いの巨人の姿が思い出された。
あの巨人は呪われた武具が集まってできたものである。その武具にこの剣が混じっていたのではないかとと思った。
だが、それらの武具は呪いの巨人が崩壊した後は回収されていたはずである。
「それだとしても、なんでこんなものが・・・?」
だが、ガイモンキさんは考えるのをやめた。彼の心に決めていることとしては、まだ使える武器ならしっかり直してあげるという物だ。ついでにちょっとの魔改造も。
とりあえず、今日はこの剣を鍛え直すことにした。
幸いにして、この剣の直し方はあまり他の剣とは変わらないようだった。せいぜい曲がった部分の強度を微調整するぐらいであろう。
そのうえ、さらに強化としてついでに「アダマンダイト」とかいう武器に使われる金属としては最強硬度のものを少し混ぜた。折れそうにも見えたためその補強にである。
夜深くなり、やっとその剣を完全に直し終えた。
「ふうっ、これでいいんだが改めてみるとこれはこれは・・・・」
自分で修理しといてんだがかなりの業物のようだった。使われている柄はそのままいしていたが、その柄は結構良い材質のようである。さらに、何度鍛え直しても全く消えなかった不思議な模様が刀自体に彫られていた。上からアダマンダイトで補強したとはいえ、その彫られている模様が全く消えなかったのだ。
「呪われているわけでもないな・・・・不思議な剣だな」
何か不思議な力を感じた。
『・・・直してくださり、ありがとうございます』
「うおっつ!?なんだ?」
剣を手に持ってじっくり見ていると、いきなり頭の中に声が響いた。
「まさかこの剣が語りかけているのか!?」
噂には聞いたことがあった。剣自体に意志が芽生え、「剣精霊」なるものが宿るという話を。そして、剣精霊が宿った剣は会話が可能であるということを。
まさか自分がそんなものにお目にかかれるとは全く思っていなかったガイモンキさんはしばし呆けた。
『これでやっと私のお兄様に会いに行けます!どうもありがとうございました!!』
そう剣から声が響いたかと思うと、その剣はふわりと宙に浮き、そのままどこかへ飛んでいった。
それを見たガイモンキさんは声も出ないほど驚き、翌日立ったまま気絶していたところを朝のジョギングで走っていたマッスールさんに目撃されることになる。
よく考えたらさ、真剣が空から来たら怖くない?




