第4話 まずは自己紹介?
ラルの名前の由来ですが、某有名なゲームの舞台の残り2文字分で考え付きました。
悶絶して倒れたごろつきたちから俺たちはいったんその場を離れた。もう2度と俺たちに会おうと化する気もないだろう。
しかし、ちょっと力が強すぎるな。これ下手したら狩りとかするさいに獲物を粉砕玉砕してしまうんじゃないか?手加減の練習が必要だな・・・。
「あ、あの、先ほどは助けてくださりありがとうございました!!」
「ん、ああ別にどうということはない。ただ、いろいろ質問していいか?」
「ええ、いくらでも」
この助けた人、どう見ても先ほどのごろつきたちよりも服が裕福そうなんだよな。どっかのお嬢様か?
「まず、あなたは誰だ?なぜあのごろつきたちに追われていたんだ?」
「私の名前はフォン・ジースト・ライナ。ジースト領のフォン辺境伯の娘です。あなたは命の恩人ですし、ライナと呼んでいただいても構いませんわ。そして、あのごろつきたちに追われていたのは私が乗っていた馬車が彼らに襲われたからです」
やっぱそれなりの身分の人だったのか。
「護衛がいたのですが、あの者たちが襲ってきたのは明け方で一番油断している時でして、あっという間に皆やられてしまって・・・」
頭悪そうに見えたがそれなりに頭使っていたんだなあいつら。
「そして命からがら逃げたところをあなたに救われましたの」
なんか感激しているようなうるんだ瞳が何となくかわいいんだが。
「というか、見ず知らずの俺に助けを乞うってよかったのか?下手したら俺もあいつらの仲間だったのかもしれんぞ」
「はうっ!!その可能性は考えていませんでした・・・。でも、なぜか私の勘が叫んだのです。大丈夫な人だと」
そういう理由かよ。
「あの、こちらから一つ尋ねてよろしいでしょうか?」
「まあ、別にいいが」
「あなたのお名前はなんですの?」
「俺の名前か?『ラル』だ。旅をしている者さ」
転生者ですなんて言えないがな。信じてもらえるわけなさそうだし。
「ラル様ですか・・わかりました。それで、その、ここはどこかわかりませんか?」
「いや、俺も今ここに来たばかりでわからないんだが・・・。ライナは逃げてきたからわかるんじゃないのか?」
「いえ、馬車で移動していたためわからないですのが・・・」
・・・これってまさか、森の中で遭難?
「えっと、どっちから走ってきたという感覚は」
「ないですわね・・・無我夢中でしたし」
うん、これ完全に遭難だ。いや?俺はこの世界に初めて来たのだから俺は遭難と言えるのか?
少なくとも、しばらくはは二人旅になりそうであった。人に会えたのはいいけど、大丈夫かなこの先・・・。
前途多難とはまさにこのことである。そういえば食糧問題忘れていたな・・・。