第39話 銀狐の奴隷1
「ここの小屋だ」
ガロンさんに案内され、俺たちは屋敷の裏手にあった小屋に案内された。
「この小屋か・・・小さいな」
例えるなら山奥で一人暮らしするには向いているぐらいの・・・いや、わかりにくいか。
小屋の中に入ると、中は光があまり入らないのか薄暗く、いくつかのベッドがあった。
ここで何が行われたのかは容易に想像はできる。したくはないがな。
「あの檻だ」
奥の方に行くと、小さな檻が見えてきた。
中を見ると、そこには柱に厳重に括りつけられた人がいた。
まるで眠っているかのように目を閉じ、その髪は銀狐の名のとおり銀色で、どことなく美しく感じた。ただ、体中に厳重に札が張られ、さらに鎖で厳重にまかれていた。首には超隷属の首輪と思しきものまではめられていたが、彼女はじっとしていた。
「・・・ん、また来たのか」
俺たちが来たことに気が付いたのか、彼女はうっすらと目を開けた。瞳の色は金色だった。顔立ちも美しく、その体もカルミアやソティスに負けないぐらいだったが・・・・。
「尻尾が9本か」
すっごいモフモフしてそう。めっちゃ触りたいな。
「暑そうじゃのう」
「雪が降ったときとかは重宝しそうですよね」
おいそこ、真面目に考えるな。
「おい、領主、私が使えるべきふさわしいようなお方を見つけたのだろうな」
なんか奴隷にしてはすごい尊大なしゃべり方だな。
「ああ、鬼神殿ならさすがにお前も文句は言えまい」
「鬼神・・・・神々の一柱か」
どうやら鬼神の存在は知っているようである。というかこの世界、神だろうと何だろうとほんとに珍しくはないんだな。
「そこにいる青年が鬼神か・・・だが、実力を見てみたい。使えるべき方の力を見極めたいのでな」
「つまり、戦ってみろと」
「そういう事だ」
どうにも戦闘狂みたいだな。
まあ、仕方がないのでとりあえず戦うことにしたのであった。というか、なんでこんな人が本当に奴隷になっているんだろう・・・。
さて、妖術とはいかほどに




