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第38話 領主宅ガロンさん2

地味に解説有り。

「あと、もう一つあのバカに関してのことであるんだが」


ガロンさんは何か考え込むような表情で言った。


「実はな、あのバカは今までどうやら奴隷をこっそり家の裏にある小屋で隠して飼っていたらしい」


 その言葉を聞いた瞬間、ソティスが少しびくっと手をふるわせた。彼女は元奴隷。つまり、下手したらあのバカに買われた可能性があったのだ。


「奴隷ですか・・・・」

「ああ、その人数は18人ほどだった。全員が女性でな、どうも自らの性欲に使っていたらしくてな、奴隷の使用法すら間違えていたようだ」


 奴隷はこの世界ではほとんどが労働力として売られている。中には観賞用としてなどもあるが、そんなみずからの欲のはけ口にするのは実は厳重に禁止されているのだ。この辺は地球とは少し違うかな。


 そして、その言い方からしてどのような扱いを受けていたのかが容易に想像できた。さすがに胸糞悪くなったよ。


「でだ、17人は買い手が見つかったからそこへ売り渡せるんだが、残ったやつがどうもな・・・」

「ん?」


 別に奴隷の売り買いなどは俺たちが口出せるわけではないから何も言うつもりはなかったが、そのちょっと口を濁した感じが気になった。


「のこった1人がどうかしたんですか?」

「いや、種族が『銀狐』と呼ばれる狐の獣人の女でな、亜人の中でも珍しい種族でプライドが非常に高く、本来なら奴隷にはいないような奴だった。あのバカは買ったはいいものの、全く手をつけられなかったようで、檻の中で厳重にとじ込められていたようなのだ」


 『超隷属の首輪』も付いていたらしいがそれでもものすごく抵抗したらしい。


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『超隷属の首輪』

「隷属の首輪」とは違う魔道具(マジックアイテム)の一種。。首輪の鍵を使うか、この首輪を外せるだけの力を持った人じゃないと首輪は外せないという点は隷属の首輪と同じだが、それはただの奴隷に使われる首輪であるためそこまで効力はない。しかし、「超隷属の首輪」はただの首輪ではなく、本当にものすごい力を持つ者たちを押さえつけるためのものである。しかし、完ぺきではなく力が強すぎる者、もしくは精神力が強い人にはあまり効果を成さない。

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「それが付いているってことは、その奴隷ってものすごく精神力や力が強いってことですよね?」

「ああ。『妖術』とか言った魔法とはこれまた違うたぐいのものを使用するらしくてな。それでつけられているそうだ。何で奴隷になっているのかというと、どうやらアホな理由があるらしいが、プライドが高くて恥じて全く言わん」


 アホな理由ってなんだろう・・・。


「それでだ、もうこの際首輪を外して奴隷でなくしてしまってどこかに働かせようとも思ったのだが、働くことに対してのプライドもあるらしく、そのうえ妖術なんかで面倒ごとを起こされても困るからとにかくめんどくさい」


 はあっ、と何かもう疲れ切ったようなため息をガロンさんは吐いた。苦労しているようである。


「でだ、鬼神殿。この際、その奴隷を鬼神殿が引き取ってくれないかね?」

「俺がですか?」

「ああ、鬼神殿なら何が起きても大丈夫そうだからね。それに、彼女は自分より強いものにしか従わないというプライドもあるからね」


 獣かよ。あ、獣人だから間違ってはいないのか?


 とにもかくにも、見に行くことにしてみたのであった。旅仲間が増えるのはいいからね。ソティスのように首輪も外して奴隷としてではなくて本当に仲間としてあげたいしね。ちなみに、ソティス、カルミアともに反対はしない模様。


「ラル様にべったりしないなら別に・・・」

「ラル殿に色目を使わなければ別に・・・」


 なんだその理由?にしても狐の獣人か・・・・日本の妖狐みたいな感じかな?






獣人にもいろいろあるんですよ。猫、犬、狐、熊、狸、狼、etc・・

ちなみに、「龍人」てのもいるが、これはまた違う模様。

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