第3話 美女とごろつき三人組
なんかのりで書いてます。
とりあえず適当に進んでみると、開けた場所に出た。
「って、何もなさすぎるだろ・・・」
草原なのだろうが、道みたいになっているところがない。つまり、人がこのあたりを通ることもないのであろう。
さすがにこれはひどい。転生したはいいが、人っ子一人いないような場所のようであった。
これから本当にどうしようかな・・・・。なんか腹がすいてきた。だが、ここまでに動物1匹すら見つからない。
どうもこの鬼神の体でも腹は減るらしい。つまり、今俺は転生して初めての食糧難に見舞われていた。
一応、転生前の地球での教育の中で食べられる野草などの見分け方はつけていた。だが、ここは異世界。そんな知識が通用するとは思えない。
「た、助けて!!」
「ん?」
ふと、助けを求める声が聞こえた。
見ると、先ほどまでいた森から誰かが走ってきていた。
見るとそれはきれいな女の人で、身なりはよく、金髪であの女神にはない立派なものを揺らしながら、何やら必死で走っているようだった。
そのまま俺の背中に隠れて、何かおびえているように言った。
「た、助けてください!!あのろくでもない男たちに追われているんです!!」
見ると、明らかにろくでもないようなごろつきの男たちが3人ほど追いかけてきていた。
「ぐふふふ、おいそこの兄ちゃん!!その嬢ちゃんを俺たちに渡しやがれ!!」
「痛い目を見たくなかったらな!!」
うわぁ、見た目どころか中身まで典型的なごろつきだよ。まあ、見捨てるつもりはないし、この体の力を調べるチャンスでもあるな。確か不老不死とかだったから死ぬ可能性がないけどね。
「ふん、お前らのようなやつらにこの娘を渡すと思うか?」
「なんだとこの若造が!!」
「俺達を誰だと思っていやがる!!」
「いや、知らないんだけど」
だってまだこの世界に転生したばかりだもん。
「ならば俺達『暁の夜』に殺されて死ねぇぇぇえ!!」
おい、その言い方変だろ。頭まで悪いのか?
ごろつきの一人がナイフを持って俺に切りつけてきた。さすがに死なないとはいえ、切り付けられたえら痛そうなので、とっさに俺は持っていた金棒でナイフを振りはら、
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!?お、俺の腕がぁぁぁ!!」
あ、距離が近すぎた。ナイフどころか腕まで金棒でもぎ取ってしまったようである。これって金棒が強すぎたせいなのか、俺の鬼神としての力が強すぎるのか、あるいはその両方か。
少なくとも他二人にはかなりの恐怖を与えたらしい。しかし、自分でも怖いんだが。なんせただ金棒をふるっただけで腕がもげたもん。手加減しないとこりゃ危ないかな。
「くっ!!この化け物め!!」
もう一人が今度は殴りかかってきたよ。金棒のサイズから考えて、できるだけ懐に入るつもりか?
そこまで頭が回ったのかと驚きつつ、合気道の要領でその殴り掛かってきた拳をとらえてそのまま地面にたたきつ、
ぐしゃあ
「・・・あ」
どうやらたたきつける際に力を籠め過ぎたようである。ちょっと、今の音からわかるように表現してはいけない状態にしてしまった。
俺の後ろに隠れていた女の人、はその凄惨な光景見て顔を青くしているよ。そりゃそうか、いきなり男が表現不可能な状態になったからね。俺にも少し返り血がかかったし。しかしこれ確実に死んだよな。なんか鬼神になった影響か罪悪感すらないんだが。
「ひ、ひぃっ!!」
「えっと、まだやるつもりかい?この二人と同じような状態になるかもしれないけど」
残る一人は完全に腰を抜かしていた。目の前で仲間二人が悲惨なことになったもんな。
「どうか命だけはお助けを!!」
即、土下座したよ。その判断はいい選択だろうね。
「どうする?この男?」
「え?」
一応、どうするかは追いかけれていた本人に聞いた方がいいだろう。
「・・・そうですね、この男たちは私をとことん辱めてから殺そうとしていました。なので、殺してやってください」
そう来たか。ま、そんな目にあわされそうになったら当然か。
「なっ!?その女の判断で俺は殺されたくはな、」
「だ・ま・れ☆」
一応、必死に懇願していたようだけど、ろくでもなさそうなごろつきのおっさんと、きれいな女のひとどっちの方を聞くか。俺は後者だった。
そして、この女のひとをひどい目に合わせようとしていたようである。これはもう有罪確定である。
そして、俺は思いっきりその男の急所めがけて棍棒をふるったのであった。
やった本人が言うのもあれだけど、結構痛そう・・・。手加減したからそのまま男の急所がつぶれた以外は大丈夫だったけどね。
他の作品よりはちょっと凄惨になりやすいかな。力が強すぎるもんな。




