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第36話 鬼神ラル&領主ガロンVS雇われてきたバカたち&バカ息子 ~勝負はすでに見えている~

『~・・・~』て感じのは初めてつけてみた。

 迫ってくる金に目がくらんだバカたち。


「取りあえず、軽く数本折っとくか」


 俺は素早く動いた。鬼神だからって怪力だけではない。素早く動けるのでもある。魔法はいまだに使えないがな。


「な!?消え「遅い」え?」


 ぼきぃっ!!


 めきゃっ!!


 ごきっつ!!


「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」


 まずは、三人ほど腕の骨を折り、足の骨を折り、足の小指の骨を折った。この中だったらどれが一番痛いかな?


「さて、この町の領主の貴族もいるってのに襲い掛かってきたということは覚悟はできているんだよね?」

「「「「ひっ!!」」」」


 軽く笑みを浮かべただけで、襲い掛かろうとしたやつらがひるんだ。



 彼らはしょせん金で雇われたに過ぎない小悪党的な低ランクの冒険たち。だが、それでも冒険者をやっているだけあって、今のラルの動きを見ただけで自分たちはとんでもない奴に喧嘩を売ってしまったようなもんだと理解した。そして、この場から逃げ出したいものの、体が恐怖によって動かなくなってしまった。


「さて、返事もないようだし逆襲(一方的な蹂躙)を始めますか」


ラルはそう言い、動けなくなった奴らに金棒を持って攻撃を仕掛けた・・・








「なあ、えっと、鬼神殿の仲間だよな」

「そうですけど?」

「あれって鬼神殿は本気を出しているのか?」

「出していないじゃろうな。一応手加減しているようじゃ」

「あれで手加減か・・・」


 ガロンは、目の前で行われている戦闘(ラルによる蹂躙)をみて、自分が勇ましく戦う必要はないんじゃないかと思った。そして、鬼神を敵に回した自分の息子を哀れだとも思ったのであった。


 ちなみに、ソティスとカルミアはいつでも魔法や矢で援護できるようにはしていたが、ラルの様子からしていらないように思えたのだった。






「これで全員か」

「ば、バカな・・・金を出して雇ったやつらが、こんな大人数をたった一人で・・・」


 数分後、ラルは一人で全滅させていた。なお、一応命は奪わなかった。全身骨折や腕や足がもげた者がいたりはしたが。


 そして、その様子にホアは信じられないような眼をしていた。



「こ、これが鬼神の力とでもいうのか・・・」

「ぶっちゃけ言って全力も出していないんだよな」


 弱かった。その一言に尽きるな。むしろ殺さないように手加減する練習にはなったからよかったかな?


「さて、どうするんですかね大馬鹿野郎さん?」

「ひっ!!」


 ラルから放たれた怒りのオーラにホアは震え上がって後ろにさがった。その股間はすでにものすごく湿っていた。


「た、頼む許してくれ!!」


 その顔は完全に恐怖で歪んでいた。


「昼間に俺にちょっかいをかけてきて、それで実力差が分からないでまた襲ってきたあんたにむしろ怒りを通り越して呆れているよ」


 さすがにこんなやつを相手にはしたくないからな。


「それに、お前を許す許さないの判断は」

「私がとるからな!!」

「ち、父上!!」


 奥の方にいたガロンさんがバカの前に立った。こめかみに青筋が浮き出ているからたいそうご立腹だなこりゃ。


「お、お許しください父う「黙れこの馬鹿が!!」ひっ!!」


 ん?今「息子」ってつけなかったな。


「これまでさんざん問題ごとを起こし、散々迷惑をかけてきて、そのうえ私の当主の座がほしいがゆえに、私を殺そうとした。もうお前なんか息子でも何でもないわ!!」

「そ、そんなち「もうお前の父親ではない!!」」


 うわ、大事なことだから二回言ったよ。


「息子でない以上、次期当主でもなくなり、もはや貴族でも何でもない!!つまり、お前は領主殺人未遂を起こし、なおかつ、我が家の金を持ち逃げしたただの罪人だ!!」

「ガロンさま、憲兵に連絡いたしました。まもなく到着するかと」


 いつの間にか先ほどから姿が見えなかった部下が現れた。どうやらこの国の警察機関にあたる憲兵とやらに連絡していたようである。


「法の裁きを受けるのを待つんだな!軽くて犯罪奴隷、重くて死刑だ!!」

「あの、ガロン殿、もうそ奴気絶しておるのじゃが・・・・」

「ん?」


 カルミアの指摘により、ガロンさんはバカ息子、いや、もう息子でないただのバカが気絶していたことに気が付いたのであった。



 その数分後憲兵たちが到着し、バカを厳重に縛り上げ、そこらへんに転がっていた襲ってきたやつらもついでに連行していったのであった。


 なお、宿が少し壊れ、血まみれになったがその修繕費用などはガロンさんが出しました。










 




ホアは豚のように肥え太っていただけに、豚箱(憲兵所)(刑務所・監獄に相当)に入れられたのであった。

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