第31話 山の神の頼み
山の神に案内されて着いたのは村のはずれにあった洞窟だった。
「ここは?」
「ここにな、最近厄介な奴が住み着いたんよ。今は寝ているようで気が付いていないようだがな」
「厄介な奴ってそっちは仮にも神だろ?何とかできなかったのか?」
「ああ、お前さんは鬼神じゃろ?それだけの力があればわいにも何とか出来たんやがな、ワイはまだ力が余りない下級神や。太刀打ちできへんのよ」
話によるとつい最近この洞窟に住み始めたらしい。そいつは
「『サイクロプス』というモンスターや。幸い頭が悪いから近くに人がいる村には気が付いてないが、このままほおっておけばあの村がこいつに荒らされる。止めたいんやが、わいでは無理なんや」
「それで俺に頼んだというわけか・・・。まあ、あの村の人はみな優しい感じだったからな。引き受けた。ただ、後カルミアたちも連れてきていいか?」
彼女たちの魔法などのサポートがあれば楽なんだが。
「サイクロプスはオークなんかと同じように、女に反応しやすいんやで」
「・・・よし、俺一人で根絶やしにしてやろう」
「なんか急にかなり怖い顔になったな・・・」
さすがにこんな危険な奴の相手させたらいかんな。根絶やしにすべき。
「あの洞窟で今は眠っているのか?」
「そのはずやけど・・・なーんか静かやな?」
ずしん!
「「へ?」」
何かが振動し、後ろを振り向くとそこには巨大な単眼の怪物がいた。
「グオオオオオオゥゥゥゥ!!」
「こ、こいつがサイクロプスや!!」
「起きていたのかよ!!」
どうやら俺と同じく目が覚めて起きてうろついていたようである。最悪のタイミングだな。
唸り声をあげて、サイクロプスは俺につかみかかろうとした。
だが、そう簡単にはいかせない。
俺は素早くその手から逃れ、後ろに回った。
サイクロプスが俺の方に向く前に、俺は素早くジャンプして頭の上まで行き、一気に金棒を振り下ろした。
バッシャァァァァン!!
金棒の一撃により、サイクロプスの頭部は四散し、あたりに脳漿などが飛び散って頭を失ったサイクロプスの体はその場に崩れたのであった。
「・・・あっさり過ぎない?」
「いや、お前さんの力が強すぎるだけや。こんな簡単にこんなやつの頭が四散せんわ」
とりあえず、倒したことは倒したな。
「これでいいんだろうけど・・・この残ったやつどうするんだ?」
残っているのは頭を失ったサイクロプスの胴体である。
「うーん、お前さんがこいつを食いたいなら別にそのまま渡してもいいが」
「食わねぇよ」
絶対まずそうだもん。
まあ、さすがにこのままほおっておくわけにもいかない。腐って変な病が流行ったら最悪だからな。
「ん?」
何かが近づいてくるのを感じた。この気配は・・・・。
「ラル殿!何やっているんじゃ!!」
「ラル様!何やっているんですか!」
「・・カルミアとソティスか。なんでお前らがここにいるの?」
「それはこっちのセリフです!」
「なんか目が覚めたらラル殿がいなかったんじゃ!それでわらわの索敵魔法で探したんじゃよ。ラル殿の強さは理解しておるから心配はしていなかったが」
「それでも何も言わずに夜中にいなくなるのは不安ですよ!」
すごい剣幕である。
「それはそうと、そこのちっちゃいお主はいったい何者なんじゃ」
「わいか?この山の神じゃ」
「か、神なんですか?」
まあ、見た目的にすぐには信じがたいよな。
「それにそこに転がっておるのは・・・・なんかモンスターの死骸じゃな?何しとったんじゃ?」
「わいがこの鬼神殿にサイクロプス退治をお願いしたんじゃ。それでこの方があっという間に倒してしまってのぅ」
「サイクロプスか。ま、ラル殿なら簡単だったじゃろ」
「ラル様ならいともたやすくできますからね」
お前ら俺をどういうふうに見ているの?
「それにしても、これだけの大物をよくもまあ頭部だけ爆散させるとは・・・」
「相手が悪かったんですよ」
「それはそうと、このサイクロプスの死体をさ、どうしたらいいと思う?」
「うーん、埋めますかね?」
「それが一番かの?」
「やっぱりか」
どうせコイツの肉を食う気にはなれんしな。
山に埋めることにしたのであった。




