第30話 その夜
1話1話が少し短いかな。
ドゲザエモンさんの家に泊まり、夜となって俺たちは寝た。
「ん?」
深夜、俺は何か感じて起きた。周りを見渡すが、皆寝ている。
「むにゃ・・・ラル様それは・・」
「ん・・ラル殿・・・」
二人ともなんの夢見ているんだ?
ドゲザエモンさんの方を見るとこちらはしっかり姿勢を正して寝ていた。
ただ、カルミアが体全体を伸ばし、室内はやや狭くなっていた。
ま、ほっておいて俺は目が覚めたこともあり外に出た。何かの気配を感じたからだ。
ちなみに、鬼神の体のせいか月の光だけでもはっきりとあたりが見えている。深夜なのであたりは静まり返り、丑三つ時の雰囲気だった。
「ちょっと怖いなこれ・・・」
なんかお化けでそうだな。この世界モンスターがいるから幽霊みたいなやつがいてもおかしくはないからな。
ガサガサ
「ん?なんだ?」
近くにあった茂みで何かが動いた。
念のために家から出る際に金棒を持ってきていたので、俺は金棒を構えた。
「ちょ、待ってくれ‼︎別に怪しいもんじゃない‼︎」
金棒に危機感を感じたのか、茂みから何かがでてきた。
「な、なんじゃこりゃ?」
茂みから出てきたのは何やら大量の葉っぱで人の形をとった小さな塊だった。
「わいはこの山に住む神や!あんたと同じ神の仲間やで⁉︎」
両手を上げて攻撃する意思がないらしく、必死に訴えていた。
まあ、危険はなさそうだし俺は警戒をといた。
「って、なんで俺が神の仲間だと?」
鬼神だから神でもまちがってはいないだろうが。
「首都にて鬼神がなんかでっかいやつを倒したと鳥や風たちが噂してたんや。それで、そのうち風がお前はんが鬼神やということを教えてくれたんよ」
「なるほど、そういうことか。山の神なら別に不思議ではないな。これは失礼した、改めまして、俺は鬼神のラルだ」
「わいはこの山の下級神や。名前はまだないがの」
「下級神?」
「せや、でもこの山全体を見る力はあるんや」
そういやこれがこの世界での他の神に初遭遇したことになるな。
「なんで俺のところに来たんだ?」
「ちょいとあんさんの力の強さを見込んでお願いしたいことがあるんや」
神にも一応ランクはあるんですけど、それはまた別の話で紹介します。




