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第1話 あの世にて

ま、典型的なテンプレが多いので生暖かく見守ってください。

「・・・あれ?」



 俺は気が付くと、どこか真っ暗な空間にいた。



「そっか、俺は死んだのか」


 なんか妙にあっさりと結論が出せた。


 俺は男の子を助けて、トラックに轢かれて死んだ。そう理解した。


「ま、ここが死後の世界なら案外悪くないな」


 死んでいるせいなのか体が全く痛くない。それに、死んだら死んだでやっとあの家から解放された気分だった。


『そんなにあっさり納得しないでください!!』

「うおっ!?」


 いきなり誰かの声が聞こえてびっくりした。見ると、いつの間にかきれいな神々しい女の人が目の前にいた。胸はないけど。


『今かなり失礼なことを思いませんでしたか』

「まな板だなと」

『そんなはっきり正直に言わないでください!!仮にも女性相手にそんな失礼な感想を隠さないでいうなんてひどいですよ!!』


 いやだって聞かれたからじゃん。


「えっと、とりあえず聞きたいんですけど、俺って死んでますよね」

『え、あ、はい』

「ということはあなたは神様とやらですか?」

『はい、私は女神のマテラスです。って、話をごまかさないでくださいよ!!』

「だってこのまま死後の世界に普通に逝きたいんだけど」

『なんですかその言い方!!まるで私がめんどくさいと思っているようじゃないですか!!』

「めんどくさいと思っていますが?」

『またそこまではっきり言うなんて!地獄行きにしてもいいんですよ!』

「ぶっちゃけ生きている方が地獄だったから別にいいんだけど」


 この発言に残念女神のマテラスは驚いたようだった。


『ま、まさかここまで生きることに執着心を持たない人間がいたなんて・・・。今までの人間たちだったら「絶対に生き返らせろ」だの、「俺ってもしかして異世界に転生されるの!?だったらチートちょうだい!!」なんていう人間が多かったのに・・』


 そこまで衝撃的だったのだろうか。


「いや、別にないわけじゃないんだけど、死んだらそれで終わりとしか思っていなかったからな。こうして死んだから自分でも納得できているんだよ」

『なるほど、そんな考えを持っていたんですね』

「というか、なんで俺にかまってくるわけ?」


 このまま安らかに眠らせてほしいんだけど。ここ最近宿題やら塾やらでまともに休めてなかったからな。


『そうでした!ついツッコミを入れたせいで忘れてました!!えっと、篠崎しのざき 龍井りゅうせいさん、享年17歳で間違いないですよね?』

「まあ、はい。死んだならそうなりますよね」

『あなたは特別に「鬼神」に転生させられることになりました!おめでとうございますか、ご愁傷様かどちらを言うべきかわかりませんが、ともかくそうなりました』


 どういう意味だ?


『えっとですね、このたびあなたが生きていた世界から異世界と呼ばれるような剣や魔法しかない世界でへの通算1000人目の転生者として選ばれました。今までは勇者や魔王として送り込んでいたのですが、たまには変わったものに転生させるのも面白いだろうと、私の上司の神々(バカたち)から「鬼神」として転生させようと決まりまして、それであなたがちょうど都合よく死んでくれたものであなたにしたんです』


 なにげに上司に不満持ってないかこの女神?


「鬼神と言ってなんですか?」

『簡単に言えば荒ぶる神ですね。すさまじいまでの怪力、素早さ等を持ち、神々の中でも私よりは力を持つことになります。まあ、他の上司の神々(バカたち)にはまだかないませんけどね(できれば強くなってこいつらぶっ飛ばしてくれればいいんだけど・・・)』


 何やら物騒なこと考えてませんか。


『でも、別に魔王を倒せとかいうわけじゃないんですよ。今は魔王はまだ眠っていますし、勇者もまあ、まだ呼び出しません。好きに過ごしてもいいんですよ』

「ほんとにか?国を滅ぼしても、世界征服してもか?」

『ええ、ですがそんなことはあなたはやらないでしょう?何せそんなことには全く興味がなく、穏やかに過ごしたそうですしね』


 わかっているなこの女神(残念まな板な人)


『なんか結構失礼なことをまた考えていますね・・・。では、転生させますがその前に2つ選んでください』

「ん?何かあるんですか?」

『転生には2種類あって、1つは上司の神々(バカたち)が用意した体に転生してその異世界のどこかの場所に飛ばされるもの。もう一つはどこかの家に生まれて、今の年齢の17歳まで成長してやっと鬼神になるものがあります』

「違いは何かあるのか?」

『前者は、あらかじめ用意された体なのでチートみたいなことが多く付きますが、その代わり「不老不死」にもなってますので永遠に死ねなくなります。つまり、死にたくなるようなことが起きても死ねず、生涯ずっと孤独になる可能性があります。後者は、記憶はそのままに赤ちゃんからやり直すということにはなりますが、寿命は人間より少し長いだけで、ちゃんと死にたい時に死ねます』


どっちも一応メリットデメリットがあるのか・・・。


「じゃあ、前者の方で。さすがに赤ちゃんからやり直すのはちょっとね・・・・」

『では、そちらにしますけどって、そういえばまだ一つ忘れていました』


 この女神(断崖絶壁)本当に大丈夫か?


『いえ、単に名前をどうするのかです。新しく生まれ変わるなら名前も変わったほうがいいでしょう?』


 名前か・・・そうだな、次はのんびりと旅でもしたいしな。英語でいうとたしかトラベルだから・・・。


「じゃあ、『ラル』で」

『結構安直なような気もしますが・・・ま、いいでしょう。では、少々酔うかもしれませんが転生させますね!』


 へ?酔う?


 女神が手を俺の方にかざすと、急に視界がぐるぐる回り始めた。


 ちょっ!?これまじで酔うって!!あ、なんか何も胃の中に入っていないはずなのに何かをリバースしそう・・・。



 吐きそうになりながらも、俺はだんだん意識を失っていったのであった・・・。

実はこの女神(摩擦係数0)、他の作品登場予定だったのだけどだせそうにないのでこれに出されたという不遇なキャラである。

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