第15話 またかよ
まあ、だいたい襲ってきた人がなにか予測がつくでしょ。
「どうもすいませんでしたーーーーーーーー!!」
またかよ。
先ほど金棒で気絶した今回の一連の事件の犯人は、今下半身の蛇の体を電気コードのようにまとめて縛られ、上半身の両手も縛って杖も没収されたやつが、気絶から覚めるとすぐに土下座のような体制で誤っていた。
先ほどまで避難していたソティスや村長さん、村人たち全員がこの場に集まっていた。
「まさか、村を襲うようにしていたのがこいつだったとはの・・・・」
「でかい体の蛇ですね・・・」
「蛇じゃなくてわらわは『ラミア』なんだが・・」
改めてローブを脱がされ、その姿をさらけ出した時には全員驚いた。かなりの美人だったからだ。髪は深い青色で、目は金色、あの女神とは比較できなくて、ソティスよりも大きなものもあった。
「なぜこんなことをしたんだ?」
「実はその・・・・・・」
彼女の話からするとこうらしい。
最初は普通に村に入って1泊ほど泊めてほしかったらしい。だが、彼女は自分の姿が人に驚かれるのではないかと思い、躊躇した。
そこで、適当な男たちを集めて村を襲わせて、その困った村に自身が使える魔法によって恩を売って止まらせてもらうつもりだったらしい。
なんだその呆れた動機は。
「わらわは実は、群れから出てきたのだが、それで途方に暮れてさまよってこの地に来たというわけなのよ」
どうやらラミアは本来集団でいるらしい。種族の特徴から全員メスしかいなくて、たまに人間や亜人などの若い男をさらって繁殖しているらしい。だが、彼女はその習性に嫌気がさして群れから出て行ったそうだ。
「わらわはなぜかラミアの中では魔法が使えたし、それで一人でも大丈夫じゃろうと思って出てきたのじゃ。だが、一人旅は思ったよりつらくて、今回の強行を行ったわけなんだよ・・・」
「つまり、寂しやがりだったんだな」
「なんかそれなりに経験豊富そうな口調ですのにね・・・」
なんか哀れになってきたな。
「それで今に至るか・・・・。のう、ラミアの御仁や」
「なんですか?この村を狂乱に陥れたこのラミアを村人全員で慰みものにでもする気ですか?」
「いや、最初からそう砂をに反してくれれば儂らは別にかまわなかったんじゃが・・・」
「え?」
そのラミアはしばしその言葉に絶句した。
「つまり、わらわが普通に訪れても・・・」
「別に気にしないで泊めたじゃろうな」
「わらわがしたことは・・・」
「そこのラル殿が全部解決したし、別にいいのじゃが・・・」
「簡単に言うと無駄骨だったのですね!!」
ソティスのその言葉がトドメとなり、ラミアは顔を周知で超真っ赤になってふさぎ込んだのであった。
「で、これからどうするんだ」
「わしらは別に解決したならそれでいいんじゃが、このラミアの相手をしたのはラル殿であろう?ラル殿がこのラミアをどうするかを決めたらよい」
「わらわに何をしてもいいぞ。もうなんか羞恥心が振り切れてどうにでもなれって感じじゃ」
「ラル様どうします?」
「本当に反省したのでお命だけはどうか!!」
「うーん、深く反省したなら別にどうしようというつもりはないんだが・・・」
戦ったけど、別に気にはしていないんだよな。なんか哀れに思えてきたし。
「そうだ。だったら俺たちの旅の仲間に加わらないか?」
「へ?」
「ラル様、この女を仲間に加えるのですか?」
「お主を倒そうとしたのじゃぞ!!」
「話から考えると単にさみしくなったからだろ?だったら俺たちと旅でもするのはどうだ?あてはなく、たださまよう旅にはなるが・・・」
「なりますなります!!わらわはお主の旅についていきます!!」
「じゃ、決まりだな」
これならさみしくはないだろうしな。
「それじゃあ、これからよろしくな。えっと・・・」
「わらわの名は『カルミア』じゃ」
「カルミアか。俺はラルだ」
「私はソティスです」
「そうか、今後よろしく頼むのじゃ」
「ああ、これからよろしく」
そうして俺の旅にラミアのカルミアが仲間に加わったのであった。
「一応、魔法でぼっこぼこにした地形の修復はしろよ」
「え・・・ラル殿もかなり滅茶苦茶やっておったじゃろ」
ちなみに、カルミアの姿を見たごろつきどもは殺されるかと思ってまた気絶した。事情を説明して、一応またこんなことやったら今度は俺が大事なところにめがけて金棒振るうぞと脅したら、全員罪を償うために素直に村の手伝いをしていたそうな。