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第14話 村襲撃2

世界観からモンスターと亜人、魔族の区別の基準が分かりにくい・・・

「よし、大体やっつけたかな」


さすがにゴブリンの大群だけあって、結構時間がかかった。


襲撃が夕暮れ頃だったので、もうすでにあたりは暗闇に覆われつつある。


村人たちは一時的にソティスと村長さんによって村から少し離れた避難場所に誘導されていたため、今は誰もまわりにはいなかった。


して、足元には体がバラバラになったものや、潰れて原型をとどめていないゴブリンの死体が数多くあった。


「しかし、このゴブリンの群れは一体なんで急に村に襲ってきたんだろう・・・」


タイミングから考えると・・・・。


「あのごろつきたちが言っていたやつかな」


 ごろつきどもが捕まったから行動に移した・・・うん、ありえない話ではないな。


「その通りよ」

「!?」


 いきなり声が聞こえたと同時に、何かが飛んできた。


 慌てて金棒で防ぐと、その飛んできたものは小爆発を起こした。


 幸いにしてそこまでの威力はなかったが、それでも少し熱かった。


「今のを防ぐなんてやるわね」

「誰だ一体!!」


 声のした方を見ると、そこにはいつの間にか何やら人のようなものがいた。


 いや、人だろうか?違う、上半身は何やら黒いローブのようなもので隠してはいるが、下半身は長い蛇のようなものだった。


 よく見ると杖のようなものを片手に持っており、まるで魔法使いのような感じだった。


「レディにそんな口の利き方はよくないわね」

「そんな怪しすぎる格好だからわかるわけないだろ!!」


 まあ、声色から考えると女性のようだけど、見た目からだと人ではないな。


 だが、なんと悪だが危険な人物のような気がした。


「まあいいわね、わらわはこの近くに手あのごろつきの男どもを使っていた者よ」

「そのまますぎるだろ!!」

 

 もうちょっと考えて言えよ!!


「あなたのような強い男には敬意をこめてわらわ自らが相手をしてあげるわ。『飛び散る火球ディフィージョン・ファイヤー』!!」


うおっ!?魔法か!!


 魔法の発動とともに、その女だとかいう怪しい奴の杖の先から大量の火球が現れて襲い掛かってきた。


「炎に焼かれて死になさい!!」

「そんな簡単に死ぬかよ!」


 そもそも不老不死のようなのであるが、それでも焼けるのは痛そうなので嫌である。


 俺は金棒をフルスイングして地面にたたきつけた。地面がその衝撃で吹き飛び、飛び出た土砂が目の前に飛び散る。


 その土砂で火球が次々にぶち当たって消えていった。


「な!?そんな無理やりな力技で!?」


 だって俺、魔法使えないんだもん。こうやって地面えぐってその土で消すしかないじゃん。というか、結構あっさり魔法が消えたな。そこまで威力がなかったのか?


「ま、まだよ!!『水の砲撃(ウォータ・カノン)』!!」


 おっと、今度は水の魔法か。


 魔法発動と同時に今度は杖から勢いよく水の放水が・・・って、


「さっきの火のより強い!?」


 先ほどの火の魔法よりも明らかに強い魔法だった。ものすごい勢いでまるで鉄砲水のように水が迫ってきた。


「わらわは水の魔法が得意だからな!!この水流に飲み込まれるがよいわ!!」


 このままだと後ろにある村まで飲み込まれることになる。


「いったいどうすれば・・・・そうだ!!」


 とっさに俺は全力で金棒を水流に向かって投げ飛ばした。


「そんな棒で何ができるというのだ!!」

「こうするんだよっ!!」


 勢いよく、投げられた金棒はその勢いを落としながらも、そのまま水流に逆らってすすみ、そして、


「な!!なんだぐべぇっ!?」


 ある程度は勢いが落ちてはいたものの、水流を突き抜けた金棒はその発生源、つまり水流を生み出した本人のところに向かって突き進み、その下腹部に激突した。


 その衝撃はすごかったようで、そのまま2,3メートルほどは吹っ飛んだかと思うと、そのまま地面に落ちた。


 当てられた本人は気絶し、水流も消失した。


「ふう、一か八かと思ったけどうまいことどうにかなったな」


 そう、魔法によってこの水流が生み出されたのなら、その生み出した本人をどうにかして気絶させれば魔法も消えるのではないかと俺は思ったのだ。


 もちろん、そのまま水流が残る可能性もあったし、投げた金棒が水の勢いに負ける可能性もあった。


結構危ない賭けであったが、何とかなったのであった・・・。





ちなみに、金棒は本当にただの金棒ですよ。鬼神の怪力でごり押ししただけと言えますね。

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