SIDE ソティス・カルミア・タマモ・ミウ・ルミ・ルーン
すこしキャラがぶれるな・・・。
表彰式の夜、俺たちは城で寝ることを許可された。
というか、ルーン姫が旅仲間に加わるという事なのでそのいろいろな準備のために城の方が都合がいいらしい。
アタデルベ王城は先日あのバンボーノによって破壊されてはいたが、今はすでに大体の修復が完了しているようである。異世界の建築技術すごいな・・・・。
聞いた話では、30分城なるものもはるか東方の国にあるらしい。その城はたったの30分で完成したらしいが・・・秀吉の一夜城かよ。
俺は城の一室に、ソティス達は別の部屋に寝ることになった。ルーン姫はもともとある自分の部屋で寝るようだ。
そういえば、姫とかいうのがめんどくさいなら省略してルーンでいいよとか言ってたな・・・・一応、これでこの国の王女なんだよね?
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その日の深夜である。
ラルが泊まっている部屋の前には一人の影があった。
「部屋は別々になるから、どこにラルっちが泊まっているかまではみんなわからないだろうし、いまなら」
「何が今なら何じゃ?」
振り向くと、もう一人の影があった。
「か、カルミアっち」
「わらわはラミア、なので熱源を探れる。ラル殿の体温を覚えておけばたどり着くのも容易いのじゃ」
カルミアとルーンの2人であった。
お互いの格好はやや透けている寝間着である。
「大方、ラル殿と既成事実でも作ってわらわたちよりも先に進んだ関係になろうとしたのだろうが・・・・甘いのじゃ」
「どういうことだい?」
「否定はしないのじゃな・・・まあ、人のことは言えんが。とにもかくにもじゃ、わらわたちだって似たようなことを今までしておる」
「それはわかるよ。皆ラルっちに恋心を抱いているもん」
「今まで何度ラル殿が寝ているところへ突撃しようとしたやら・・・だが、皆がラル殿を求めるので争いが起きているのじゃ」
そこまで言われると、ルーンもわかった。ああ、恋敵なんだなと。
今は素手だが、これでもカルミアよりは強いと思っていた。
「待つのじゃ、今は無駄な争いの意味はないのじゃ」
カルミアが制止するように手を前に出した。
「どういうことだよ?」
「今この場におるのはわらわとルーンそなただけじゃ。ここはひとつ、停戦して一緒にラル殿の部屋に突撃しないかのぅ?」
つまり、二人だけでラルを独占するようなことである。
「真夜中に争いの音でラルっちが目覚めるのは面白くない。だからここは二人一緒にか」
「そういう事じゃ。幸いにして、ソティスたちもこのラル殿がいるところ目指してはおるがまだ誰もたどり着けぬようじゃしのぅ」
互いに見つめあう。そして・・・互いに手を取り合った。
「わかった、ここは二人で」
「うむ、ルーンは賢いのじゃ」
互いに手を取り合い、ラルが寝ている部屋の扉に手をかけようとした時だった。
「何をしようとしているんですかねぇ・・・・」
「へ?」
「ほ?」
背後から何やら声が聞こえたので後ろを振り向くとそこには1本の剣が浮いていた。
「み、ミウ殿!?」
「カルミアは体温を感知できる・・・ですが、私は魔剣の剣精霊。体温なんて最初からないのでわからなかったでしょう?」
人の姿ではないが、確実に怒気みたいなのが含まれるのが伝わった。
「私はお兄様の居所ならわかるんですよ。ですので、こうしてたどり着いているんですよね」
「ミウっちにそんな能力が!?」
正確には魔剣の能力とは少し違う。これはブラコンを深めた者のみが持つ能力のようなものであった。シスコンでも似たようなものを持つ人はいるようである。
「お兄様が好きなのはわかりますけどね、二人で独占しようとしているのが許せません」
「だ、だったらミウっちも加わって」
「私はそう簡単には勧誘されませんよ。お兄様が誰を選ぶのかはいいんですけどね、地の利があるルーンと、体温で見てたどり着けるカルミアが卑怯なように思えまして・・・。普段の宿屋での争いでなら文句はありませんでしたよ?」
剣の姿だが、すごい迫力を放っていた。
「や、やっとみつけた・・」
「鬼神様がいる部屋はそこですか・・・」
「カルミアさんたちずるいですよ・・」
その場にさらに、何とかたどり着いてきたソティス、タマモ、ルミが加わる。
その場で、改めて女の争いがラルに気づかれないように静かに行われたのであった・・・・。
なお、全員の服装はいかがわしいものばかりであった。
そして、部屋の外でそんな争いが行われているとは知らずにラルはよく眠っていたのであった。




