第113話 いいのかいな
短め
「ルーン姫、いつからここに・・・」
国王と話をしていたら、いつの間にか後ろの方にルーン姫がいた。
来ている服はドレスだが、ガントレットはつけたままなのがルーン姫らしいというか。
「お父さんが『娘を~』と言っていたあたりからだよ」
要は全部聞いていたというわけか。
「む、娘よこれはお前を思ってのことだが・・・なんだかあっさりと良いと言ったな」
言ったな。
「まあね、ラルっちのもとなら別にいいよ」
「・・・軽くない?」
いや、この姫が破天荒すぎるだけなのか?
「ラルっちなら別に変なこともしないだろうしさ、あたしとしてはお母さんみたいに世界中を回ってみたいと思っているしね」
なーるほど。・・・というか、国王が「娘を差し出す」とかいった意味とは違うような・・・・。いや、違ってもないか?別に娘を嫁にやるからとかは言ってないからな。
「単純に言うなら一緒に旅に行きたいという事かルーン姫?」
「そういう事だよ」
なんか少し頬が赤いような気がするが、酒でも飲んだか?
「ちょっと娘よ、こちらへ」
国王が少し離れて何かをルーン姫にささやいた。
(単純に言うとあの鬼神殿に惚れているのだろう?)
(!?)
あ、一瞬でルーン姫がボンって音たてて湯気出した。
(そんなんじゃねーし!!・・・と言いたいけどそうなんだよね。お父さんもしかしてわかっていた?)
(我が子の心が分かるのが親さ。それを見越して鬼神殿に言ったのだよ)
(・・・ラルっちをあたしの婿にでもして政治的な利用するつもりはないよね?)
(ないさ。いや、できるはずもない。鬼神殿はそういうのはどうも嫌っているような感じがしたからな。
親としては娘を幸せにできそうな人物に嫁がせたいとも思うし)
何やらひそひそ話し込んでないか?
「んー?」
「何やらライバルが増えそうな予感がするのぅ」
「鬼神様に近づこうとするのがまた一人・・・」
「お兄様って、女性ホイホイですか?」
「はわわわわ」
いつの間にか女性陣が近くにいたんだが。何やらジト目を向けられているような気がするんだが・・・。
と、何やら話し合いを終えたようである。
「鬼神殿、娘を差し出すのではなく、鬼神殿の旅仲間に加えてほしいということに変更していいかな?」
「あー、うん」
いったい何が話し合われたかは不明だが、どうも旅仲間としてルーン姫が加わるみたいなのはわかった。
「というわけで、ラルっちの旅にあたしも加わることにしました!!」
こうして、俺の旅仲間は新たに一人加わったのであった。
・・・・一国の王女が加わるのか。あ、タマモもそういえば王女にあたるんだった。
「鬼神様、今何か思いませんでしたか?」
「いえ何も」
人が増えてきましたな




