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第110話 アタデルベ表彰式1

こういうのってどうも慣れない・・・。

「これより、あの騒動の解決の功労者を称える表彰式を行う!!」


 モンノ国王が宣言し、周りの人々は拍手をした。



 バンボーノが騒動を起こし、鎮圧されてから今日で1週間。ようやく落ち着いてきたのでその功労者を表彰するための式がここ、中央都市アタデルベの王城の特設会場にて行われることになった。


 城その物はあの騒動にて壊れてしまい現在も修復工事中なのだが、この中庭は無事だったのである。


 広い中庭に作られた会場だが、立食形式でちゃんとあちこちにテーブルがセットされており、表彰を行うステージもしっかりと設置されていた。


ここに集まっているのはこの国の貴族達ばかりである。バンボーノがいなくなったことにより空いた地位があり、そこを狙っている貴族もいるらしいが・・・。


「ほとんどの狙いは俺なんだろうな・・・・」

「その可能性はありますよね」


 今、俺たち全員正装をしている。これらの服はすべて、国からレンタルしたものである。


 だってね、俺たち旅人だし、こういった正装なんて持ってなかったんだよね・・・・値段高いし。


 俺は普通にスーツのような感じである。ソティスはダークエルフの褐色の肌に合わせてか白いドレスでなかなか映えていて似合っていた。


 カルミアは赤い豪勢なドレス。ただし、蛇の部分までは長くはない。というかなかった。


 タマモの場合、尻尾が9本あるので着るのが大変だろうなと思っていたら普通に黒いドレスを着ていた。ただし、尻尾を通すための穴が通っている獣人用のドレスである。どうやって尻尾9本通したんだろう?


 ミウは魔剣のままである。人の姿はそこまで長くはできないようなのでタマモの腰に差している状態だ。帯刀は特別に許可されているのだが・・・・ドレスに帯刀した状態ってなんかシュールかな・・・?


 ルミは雪女の特性上、白い着物を着てしまうようだが別に大丈夫な感じである・・・・というか、いつもと変わらない格好なんだよな・・・ちょっと残念。



 その格好で、俺たちはステージの方に上がった。他の貴族たちからの注目も浴びている。


 現時点で俺が鬼神だということはこの場にいる貴族たちには知られているらしいが、国王様が何か情報を流したらしく、今のところちょっかいをかけてくるようなやつはいないようである。


 まあ、あの時他に城にいた貴族がいたらしく俺のあの攻撃とかを見ていたらしいからな。


「鬼神ラル殿とその仲間たちよ!!今回の事件において、我が娘の命と我が命を救い、さらにはあのバンボーノ防衛大臣の暴走による事故の被害を最小限にとどめた功績をここに表彰する!!」


 そう国王が言い、会場は拍手に包まれた。


 こういうのってどうも苦手なんだよなー。あまり注目慣れしてないというか、モブキャラ見たいにしていたいというか。


「その功績をたたえ、何か褒章を授与したいのだが何か望むものはないか?」

「望むものですか・・・・」


 正直言って悩む。特に何かを目的にしているわけじゃなかったしな・・・・。


 金銭は直球過ぎるが・・・・これでいいか。


「私は旅をしているので、旅の資金としての金銭なら望みます」


 これが無難なところだろう。「金よこせ」と言っているような気がしなくもないが。


「うむ、では白金貨で100枚分を出そう」


 ・・・はい?それは多すぎてむしろ使えないような。


 確かこの世界の通貨価値って100枚の金貨=10枚の白金貨だったような・・・・。どこかで崩す必要があるな・・・。


 ・・・・そういや、貨幣価値って微妙に変動しているらしいんだよね。常に一定じゃないらしく、その理由が通貨の流通の関係にあるらしいが・・・。


 

 そのまま国王補佐の人が、白金貨がはいった袋を持ってきて俺に手渡した。


「このなかにちゃんと100枚入っております」

「わかりました」


 持ってみると結構ずっしり来る。これが金の重みというのか・・・・・!?


「では、これより閉会までこのまま自由時間とする!!」







そういや、ルーン姫はどこ行った?

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