第106話 諦めの悪い奴だな
短め
城が二つに割れて、その真ん中からせり上がってきたのはDによく似た巨大な魔導兵器だった。
その巨大さは城から離れているギルドからでもはっきりと見て取れた。
「うわぁ、でっかいなーあれ」
「ラル様余裕そうですね・・・」
緊張感ない俺の発言にソティスがツッコミを入れた。だってあのガラクタを大きくしたところで同じだもん。
『ぬっふっふっふっふ!!最終魔導兵器ゴリアン発進!!』
あ、アフロ男の声だ。
「まさか、バンボーノが乗っているのか!?」
「まさかではなく、確実に乗っているだろうな」
諦めが悪い奴って大抵こういうことしてくるよねぇ・・・。こういうのがめんどくさいんだよな。
ゴリアンとやらがジャンプしたかと思うと、そのまま落ちてきて足元にあった建造物を破壊し始めた。そのまま進撃して他の建造物なども次々破壊してきた。
「あいつ・・・国王が殺せなかったからいっそのことこの国ごと滅ぼすつもりじゃないか?」
「なっ!?このアタデルベ王国を滅ぼすのか!?」
そこまでの凶行をされては国王も黙ってはいられないだろう。
「鬼神殿・・・頼む、あのゴリアンとかいうやつを倒してくれないか」
現状あれに対抗できるのは俺だけみたいなので、国王が頭を下げてきた。
「・・・ま、いっか」
「ラル様、引き受けるんですか?」
「別にいいだろ。ああいうのをほおっておくと、後でめんどくさいことになりそうだしな」
そういい、俺はゴリアンとやらに挑むのであった・・・・。
ただ倒すのも面白くないな・・・
心を折ってやるぐらいがいいか・・・?




