第104話 アタデルベ城内2
ちなみに、カルミアたちはルーン姫とともにギルドにいました。
一応あのDとかいうやつには鬼神の攻撃ぐらいしか効かないようだったけど、ある程度は足止めみたいなものができそうだったからね。
「鬼神だと・・・!?なぜこの国にいるんだ!!」
「そりゃ、旅していてたまたまここに寄っていたからね」
アフロのおっさんは驚いたような顔をしていた。
「とにもかくにもだ、このがらくたを使ってルーン姫を殺そうとし、その父親である国王をも手にかけようとしたのはあんたでいいんだな?」
「くっ・・・覚えていろ!!」
「あ」
雑魚がよくいう発言みたいなことを言い残して、おっさんはくるっと向きを変えて扉から素早く逃げた。
止めようとしたが、逃げ足が速くて捕まえられなかった。
「あー、逃げられたか」
まあ、あのアフロなおっさんを捕まえるのが目的でがないしな・・・。
「えっと、どちらが国王ですか?」
当初の目的の国王保護のために、俺は先ほど危ない目にあいそうだった人たちに声をかけた。
「・・・わたしがこのアタデルベ国の国王、アタデルベ・ダンガ・モンノだ」
頭頂部が瀕死のまだ働き盛りに見える男性の穂王が話し始めた。こっちが国王か。
ルーン姫の父親だが、似ているかな?あ、目の色は同じだ。
「ルーン姫の父親ですね?あなたの娘、ルーン姫に頼まれて助けに来ました。彼女の武器ではあのがらくた・・・あのアフロ男の言う限りではDとかいう兵器に効かないようなので、それで俺が助けに来ました」
「娘がか・・・・。そうか、娘は無事なのか?」
「ええ、無事です」
とりあえず、詳しい話はあとにして国王の避難を手助けすることにした。
避難先はギルドである。このまま普通に城を出るとまだ残っているDとかに邪魔されそうなので、上空待機していたミウを呼び、国王とその補佐とかいう人を抱えて空に俺たちは逃げた。
そのままギルドに着陸する。
「よっと。楽だったよミウ」
「いえいえ、お兄様のためならこのミウ火の中、水の中、森の中どこにでも!」
「魔剣持ちとは・・・鬼神殿は驚くことばかりだな」
国王は情報を集めていたので鬼神が魔剣持ちなのは知っていたが、実際に見るとやはり驚くものであった。
「お父さん!!」
ラルたちがギルド前に着陸すると同時に、ルーン姫が勢いよくモンノ国王に飛びついた。
「おお、娘よげふぉっつ!?」
国王は娘を受け止めるために前かがみになって両手を開けていたが、この時失念していたことがあった。ルーン姫は両手にガントレットをつけたままだったのである。
ルーン姫は自分の攻撃がDとかいうやつに効かないとはわかってはいたが、自己防衛のためにつけていた。
そして、そのガントレットはかなりの強度と重量を持つ。
そのため、ルーン姫そのものが砲弾のようなものになり、国王に致命的なダメージを与えてしまったのであった。
愛する娘とはいえ、その衝撃には国王の身体には多大な負担がかかり、補うかのようにその瞬間、国王の髪は全滅したのであった・・・・。
国王の髪のみ全滅。
しかし、この騒動はまだ続く・・・・。




