第100話 再会ですな
誰と?
中央都市1日目の夜、『火種亭』という宿に泊まり風呂に入っていた。
「あー、さすが中央都市の風呂。広いわー」
俺は湯に肩までつかり、この世界にも風呂があってよかったと思ってた。風呂がない世界はきつい。あの風呂好き少女ほどじゃないけど、風呂は好きだからな。
女湯の方で、ソティス達も入浴中である。なお、この宿の女湯と男湯の間にある仕切りには除き対策の魔法がすでにかかっているようである。そのため、他に男湯に入っていた方々のうち、何人かが現在湯船に水死体のように浮かんでいた。哀れな・・・・。
時折聞こえてくる会話に聞き耳を立てる人が多いが、この仕切りにはさらに盗聴禁止の魔法がかけられているようであった。そのため、壁に耳をつけたまま気絶する人もいた。
これらの人たちは後で回収されてこの宿の女将さんに説教されるというが・・・・この世界の宿の女将さんマジで怖いな。
風呂から上がり、寝る前に明日の予定についてみんなで話している時であった。
「明日さ、中央都市のおいしい店巡りしようか」
「いいですよねー、ここなかなかおいしい店が多いようですもん」
「下手すると太りそうじゃがのぅ・・・」
「運動すれば大丈夫」
「というか、私たちって歩いて旅していますからね・・・しかも、カルミアの場合は蛇行して歩いていますからシェイプアップするのでは・・・」
「お兄様と回りたいですけど、あまり長くは人の姿を保てませんしね・・・・」
がらっつ
「おひさーっつ!!」
「「「「「「ルーン姫!?」」」」」」
いきなり部屋の扉が開いたと思ったら、この国の第1王女で以前であったルーン姫が部屋に飛び込んできた。
「えっと、久しぶりですねルーン姫」
「お久し振りだよラルっちとみんな!」
というか、なんでこの国の第1王女がここに?いや、この国の王女がこの中央都市の城に住んでいるのは普通だけど、この宿に来ている時点で普通ではないような・・・・。
「ふっふっふっふ、なぜあたしがここにいるのか不思議そうな顔をしているな」
「まあ、うん」
「昼間、ラルっちがなんかしたでしょ」
昼間・・・?
「あ、ラル様が」
「瞬殺したあれかのぉ!!」
そうか、昼間のあの自称冒険者グループのやつらの騒ぎか。って、瞬殺って殺していないんですが・・・。
「あの話がたまたまギルドに届いてさ、丁度こっそりと城から抜け出して依頼を見ていた時に聞いたんだ。なんでも問題起こした集団を瞬殺したとか言う話があったんだよね」
「そんな感じで伝わっているのか。というか、殺していないんだが・・・・」
「それで、その瞬殺した人物の特徴が話にあがっていたんだよなー」
どんな特徴が?
「なんでも人間のような青年、黒髪黒目、顔立ち整っている、何人かの美女を侍らせていたなど・・・」
「後半、変な感じに聞こえるんだが・・・・」
侍らせていないんですが。全員、旅仲間なんですが。
「それでその特徴からラルっちじゃないかと思い調べましてこうして突撃しにきました」
よくここが分かったな・・・。
「ま、とにもかくにも、ちょっと外で模擬戦しよう!機会があったらまた模擬戦しようと約束しただろ!」
「ああ、でももう夜中なんだが・・・」
「だったらあたしも今日ここに泊まって、明日の朝ギルドの練習場で模擬戦だ!」
「いやちょっとまて!!ここに泊まる必要なくない!?」
「だって、こっそり城から抜け出したから今戻ったら大目玉を食らうような気がして・・・・」
そこは自業自得だろ。
とにもかくにも、すでに護衛の騎士たちにはすでにバレているようで黙ってもらっているようなので、ここでルーン姫も泊まることになったのであった。
?>ラルとの模擬戦>王女の仕事
ルーン姫の心の中の優先順位




