第97話 領主の情報
一晩でこれだけあったのか・・・。
一夜明け、結局領主が見つからず全員がそれぞれの家へと帰った。眠いからである。
俺によってぼっこぼこにされた冒険者たちには、ギルドに連行されていった。
一応、護衛依頼なんて形で冒険者を門番代わりに雇うことはある。しかし、今回は評判がただでさえ悪かった領主の依頼を金に目がくらんで受け、大勢のけが人を出したことによって彼らには手厳しい罰則が下ったそうだ。
まあ、俺がぼっこぼこにしたせいでしばらくはケガで冒険者業をやれないそうだけどね。
一応彼らはそれなりには実力があったらしいが、問題を起こすこともあったらしくてギルド側からすれば目の上のたんこぶが取れたようですっきりしているらしい。
そのあと、俺たちは宿に戻ってもう一度寝直した。
翌日。俺たちは宿を出たのであった。
「にしても、結局領主とかはどこに行ったんだろうな」
「きれいさっぱりいなくなっていたようですからね・・・」
「鬼神様が気にする必要はないとおもう」
「冒険者どもも、ラル殿があっという間にぼこぼこにしたおかげで我らに出番はなかったしのぅ」
「お兄様一人で解決できていますしね」
「ラルの実力とんでもない」
全員そう言うのか・・・・そのうち「ラルだから」みたいな感じで片付けられるようになるんじゃ?それは回避したいな。少し嫌だもん。
「そういえば、今度はどこに向かいますか?」
ふとソティスがそうつぶやいた。
「適当に金棒で決めるか?」
道端に地図を広げ、金棒をその上において倒した。
「この向いた方向にあるのは・・・この国の中央都市アタデルベですね」
「この距離じゃと、歩いて5日ほどかのぅ?」
「そういえば、中央都市ってことはルーン姫がいるかな?あのガントレット持った王女様」
「彼女の事ですから絶対じっとしていないような気がします」
「それは同意」
とにもかくにも、俺たちはこの国の中央都市に行くことに決定したのであった。
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中央都市の、王城の一室にて・・・・・
「6日後でいいよな」
「ええ、国王の禿具合からそのころにちょうど毛根が死滅するのではないのかと」
その言葉に部屋にいた二人のうち一人がずっこけた。
「そういう事じゃない!!その賭けには僕も賭けているけどそれじゃない!!」
「冗談ですよ。この国を乗っ取るために用意した例のモノが完全に動くようになるのは6日後であっていますよ。動けるようになると同時に、一気に乗っ取りに行けます」
「ぬっふっふっふっふ、ついに僕の時代が来るんだ。あのもはや毛根がストレスで死滅してきている国王には消えてもらうんだ!!」
気味悪い笑いを浮かべ、その部屋にいた二人は互いにふと向き合った。
「そういえば、僕は5日後と賭けているんだが・・・」
「こちらは全員で6日後と」
「・・・大穴狙いで7日後に変更するか?確か今週の賭け期間中はいつでも変更可能だったはず」
「・・・それなら倍率的に1番儲けられそうですね」
何やら鬼神の行く手にはトラブルありか?
そして、アタデルベ国の国王の毛根が死滅するのは果たしていつなのか・・・・・?




