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第90話 雑魚盗賊2

面倒ごとになっていそう

「ほんぎゃっつ!?」

「ぐはっつ!?」


 もう何度目かになった悲鳴を聞いてラルはため息をついた。


「これで何度目だ・・・?」

「えっと、今ので本日4回目ですね」



 ソティスはしっかり数えていたようである。ほんじつすでに4回も盗賊に俺たちは襲われ、そして何度も返り討ちにして半殺しにしているのであった。


 石を投げると胴体を貫通する可能性があったので、タマモとカルミア、ルミにそれぞれ火の玉、水の玉、氷の玉を作ってもらってそれを投げていた。彼女たちがそれを使って戦うってのもあるが、まあ、こっちの方が一方的に攻撃できたのでそうした。射程距離が広いからね。


「鬼神様、こやつらはどうしましょうか?」

「うーん、適当に縛り上げておくか」


 手加減しやすくなり、なんとか気絶程度にまで抑えることに成功した。


 襲ってきた盗賊たちをその辺の木を鉄棒で折り、地面に突き刺してそれに縛り上げておく。


 3度目のやつは裸にひんむいたけど、今回はバーコードヘアーにしてやるか。かみの毛一本だけというのもいいかな?


「ラル様・・・徹底的に心を折りに行ってますよね」

「しかも、顔に落書きをするのを忘れずにやっているのじゃ・・」

「鬼神様のそんなところもいいですね」

「お兄様・・・面倒くさくなってきてますね」

「盗賊は男性ばかり・・・・ラルがいてよかった」


 全員少し引いているが、こうやって徹底的に心を折らないと後で報復とかしてきてめんどくさいことになるだろうしな。あのバカに学んだよ。



 縛り終えたところでふと思った。



「そういえばいやに盗賊が多すぎるような」

「ここまで連続して出ましたっけ・・・?」


 今まで出ることがあっても、1日当たり1回程度。なのに、本日はすでに4回も遭遇しているのだ。


「このあたりの治安が悪いにしても、さすがに度を過ぎているような・・・・」

「5度目があったりして」

「流石にもうないじゃろうな。もうすぐ町につくは『そこのおまえたち待て!!』・・・あったのぅ」







 5度目の盗賊たちはさすがに嫌になってきたので急所を金棒で攻撃した。


 全員悶絶し、あぶくふいて気絶した。


「こいつらはこのまま町まで引きずっていくか。町で賞金首かどうか照合できるからな」

「ものすごくいたそうでしたよね・・・」


 まったく、こんなに盗賊が出るのはおかしいだろ。


 町に着いたらギルドがあるはずなので、そこで情報を収集しようと俺は決めたのであった。


 なお、盗賊たちは足首を縛って引きずっています。



到着時には盗賊たちの後頭部はたんこぶだらけになっていた。

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