第87話 湖の・・・
大体ラルの起床時間は朝の5時半ごろみたいな感じです。
翌朝、俺が目覚めると隣の布団にはソティス、ルミ、タマモ、カルミアの順で眠っていた。
・・・なぜかソティス以外は枕もとが涙でぬれ、ソティスが満足そうな笑みを浮かべていたが。
「いったい何をしていたんだ・・・?」
「お兄様が知らなくてもよい女の闘いがあったんですよ」
枕元にいたミウがどこか呆れた声でそう答えた。深く聞くのもなんか怖いし、ほっとくか・・・。
にしても、やや目のやり場に困る状態である。なぜかみな寝巻がややはだけている状態。寝相がすごい悪いわけではないが、暑くなったのか少しずらしている感じなのだ。それぞれ豊かなものがあるので少し見えてしまう。
なお、その光景はミウには面白くはないようで、「もげないかな・・・・」と何やら物騒なことをつぶやいていた。
今の時刻は太陽が昇り始めたころで、2~30分もすれば皆起きるだろうし、目のやり場と理性的なものに困るので適当に宿の近くをうろつくことにした。
一応ミウにちゃんと言っておいたので気兼ねなくうろつける。
「それにしても本当に大きな湖だよな」
この宿は向こう岸が何とか見えてきているが、もともとわたってきた側の岸が見えない。
案外海に近くて湾のような状態になっているのかと思ったが、ちゃんと地図では湖となっていた。
しかし、これだけ広大な湖だというのにモンスターが住み着いていない。この世界ではモンスターがこのような湖にも普通にいるはずなのだ。
だが、この湖とその周辺にはモンスターの影が見られないという。
不思議だが、ここは異世界だから何があっても不思議じゃない・・・・矛盾しているような?
ざばぁぁあぁっつ
「ん?」
何かが水からあがった音がした。誰か泳いでいたのかなと思い、その音がした方向を見て・・・・
「・・・モンスターはいないんじゃなかったのかよ」
その方向には、ものすごくでっかい日本の東洋龍のようなのがいました。ようはドラゴンですね。
全身が透き通る感じで、まるで水そのものが形をとったような・・・・・。
「って、やばいじゃん!!」
冷静に姿を見ている場合じゃないじゃん!!金棒はポーチに入れっぱなしで手元に持ってないよ!
さすがに鬼神とはいえ、ドラゴン相手はしたくなかった。
慌てて逃げ出そうとした時だった。
「逃げなくてもいいぞ?」
「へ?」
なにやらドラゴンがしゃべったような・・・・
「その感じ、神々の者のような感じだ。わたしは神々に危害を加えるつもりはない」
あ、これこのドラゴンがしゃべっているな。
「えーっと、しゃべっているのはお前でいいのか?」
「ああ、わたしだ。この湖の主、次期水龍帝のダズマだ」
次期?え、その水龍帝とかって何?
世界はつながっている・・・・




