プロローグ
新しく書いてみました。
夏の終わりが近づいてきた8月後半、篠崎 龍井は高3最後の夏休みの宿題に追われていた。
「くっそ、なんで来年には受験だというのに夏休みの宿題なんてあるんだよ!!」
さすがにこの量は鬼だろ!!
実はこの宿題の山は学校から出されたものだけではない。塾や家庭教師などから出されたものが大半を占めていた。
俺のこの篠崎家はとある大会社であり、その跡取りとしての勉強をさせられているのだった。だが、俺は会社なんて継ぐ気はない。
「俺としてはのんびりとして生きていきたいんだよ!!」
思えば昔からそうだった。俺はこの家唯一の長男で、下には妹ばかりだった。
そして親父は頭が古く、家を継ぐなら男子しかおらんという一点張り。
妹たちの方が優秀なのに聞く耳持たず、見る目も持たず、幼き頃から俺は様々な教育を叩き込まれた。
そのうえ、俺は昔からそれなりには器用だったのでそれなりには様々なことができてしまっていたわけで、これでもか、これでもかというぐらいに詰め込み学習をやらされまくった。
「あーもうっ!!宿題なんてやめだやめ!!」
考えているだけで憂鬱になってきたので、俺は気分転換に家から自転車で飛び出し、そのまま適当に街をさまよっていた。
「しかし暑いなこりゃ・・・」
ニュース出やっていたが、確か今日が最後の猛暑日になるらしい。
家を勢い良く出たもんだからすっかり暑さの対策をしてなかったよ。
「ん?」
あまりにも暑くなってきたので、もう帰ろうとした時だった。
丁度目の前には公園があり、道路が目の前にあり、しかも、そこからトラックがちょうど進んでいる時だった。
そこから小さな男の子がボールを追いかけて飛び出してきたのだ。
「危ない!!」
トラックに轢かれると思って、俺は無意識のうちにその男の子を突き飛ばし、次の瞬間俺の目の前にはトラックがあったのであった・・・・
一応ほかの作品との並行連載。ただしこちらは完全不定期。