ブルーハワイ
妹「青っていえばさー、ブルーハワイってあるじゃん?」
兄「あぁ、よくかき氷のシロップで見かけるやつね」
妹「ハワイが青いの?」
兄「は?」
妹「ブルーハワイってことは"青いハワイ"ってことでしょ」
兄「直訳するとね」
妹「あの液体は、青いハワイから抽出したものってことで間違いないかな」
兄「間違えてるよ」
妹「きっと十数年に一度、ハワイの島が青く輝く奇跡の夜に、神秘の泉から湧き出てくるんだ」
兄「そんな大それたものなら、かき氷にかけて食べたりしないよ」
妹「その幻の水にブルーハワイって名付けるなんて……。なんてロマンチック」
兄「まんまじゃん。間違いの上に間違いを上乗せしないでくれないか」
妹「そんなすごいものをいつでも手にして、好きなだけかき氷にかけることができるなんて。日本の技術力はさすがだね」
兄「日本の技術者もそんな見当違いの誉め言葉じゃ喜べない」
妹「でもなんであんなにキレイに青いのかな。サバの成分でも含まれてるのかな」
兄「青=サバは止めようか。ブルーハワイにDHAが入ってるなんて嫌だ」
妹「まるで合成着色料を使いまくってる色だよね?」
兄「残念だけどそれが現実さ」
妹「しかも湧水なのにすごい甘い」
兄「湧水じゃない。俺の話を聞いてるか?」
妹「スーパーとかコンビニで売られてる湧水って味しないのに」
兄「……日本の技術者に怒られそうなこと言わないでくれ」
妹「というわけで、改めてブルーハワイを食べてみたい!」
兄「どういうわけだかわかんないけど。まぁでも実際ブルーハワイのラベルでも見せて成分表見れば考えも変わるかな」
兄「よし、では買ってこようではないか」
妹「やったー。じゃあついでにこれも買ってきて」
兄「? なんだい、この紙は」
妹「お母さんに頼まれてた買い物リスト」
兄「……俺はハメられたのか?」
妹「よっろしくねー」