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破滅確定の悪役幼女に転生してしまったので、頑張って生き残ります!  作者: 魚谷


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14 魔術塔の住人

正門から入ると、一階は受付カウンターになっている。



「これは塔主様」



受付の向こう側にいた、眼鏡をかけた女性が深々と頭を下げる。



「娘の使い魔の登録にきた」


「かしこまりました」



奥のほうから、大きな本が運ばれてきた。


大人の男の人が二人で運んでくるほど大きい。


何も書かれていない真っ白なページが開かれた。



「どうしたらいいんですか?」


「まずは使い魔を呼び出して下さい」


「ヨルン」



紋様の中からヨルンが飛び出す。



「ええええええ!」



受付の女性が大きな声を上げる。ヨルンも私もびくっとしてしまう。


声に釣られて、周りの人たちが何事かと近づいてきて、彼らもまた声を上げる。


一体何!?



「そ、それはまさか、スレイプニル……ですか?」



受付の女性はずり落ちた眼鏡を直す。



「ほ、本当にお嬢様が?」


「はい、そうですけど……?」


「さすがは塔主様の娘さんだ」


「あのスレイプニルを使い魔に? 一体どれほど強力な魔力の持ち主なんだ?」


「こりゃ、末恐ろしい……」



すっごくざわついちゃってる!


確かにS級の魔物だからすごいのは分かっていたんだけど、ここまで驚かれちゃうなんて。



「とーぜんだろー?」



ヨルンはドヤ顔をする。



「……スレイプニルって、そんなにすごいんですか?」


「スレイプニルを使い魔にした記録はこれまでにございませんので、お嬢様は史上初となります」


「ええええ!」



まさかのまさか。



「手続きを」



パパが言うと、「し、失礼いたしました」と受付の女性は我に返ったように頷く。



「では、お嬢様はこちらのページに手を置いて、魔力を流して下さい。少量で構いません」



言われた通りにすれば何も書かれていなかったページに、使い魔契約をした時に私とヨルンの体に現れた紋様が浮かび上がった。



「ありがとうございます。以上で登録は終了いたしました」



そこへローブを着た人が近づいてくる。



「閣下、ご報告したいことが」


「分かった。……フュリオ、娘を頼む」


「かしこまりました」


「……お前は抱き上げなくていい」


「し、失礼いたしました!」


「オリヴィエ、すぐ戻る」


「パパ、ちょっと魔術塔の中を見て回ってもいい?」


「……ああ。だがあまり遠くには行くな。魔術塔には変人が多い」


「うん、気を付けるね。フュリオ、行こ」


「お嬢様、走ってはいけませんよっ」



おっと、淑女らしく淑女らしく。


魔術塔では魔法使いの人たちが難しい顔であちこちで議論を戦わせたり、使い魔と一緒に行動したり、様々な魔法の実験をしたりしている。



「お嬢様、どちらへ行かれますか?」


「うーん、どうしようかな……」


「ぎゃあああああああ! もうお終いだあああああああああああ──────────!!」


「っ!!?」



絶叫が聞こえた次の瞬間、イケメンが部屋から飛び出してきた。


彼はゲーム内ではとんでもない悪役として描かれる人物だった。


彼は攻略キャラの一人であるジクリス・フューア・シーラッハ公子ルートのラスボスとして登場する闇ギルド所属の魔法使い、ヒューゴ・ロイ・パンワール。


賢者の石という特別な魔導具を生み出すために誘拐した孤児を使って人体実験を繰り返す、マッドサイエンティスト。


しかし元から悪人だったという訳ではない。


思うような功績を挙げられず、魔術塔から追い出され、路頭に迷いかけているところをとある慈善家に救われる。


彼の依頼で様々な研究の補助をしている内に、実はそれが違法なことであると判明。


実は慈善家は闇ギルドのメンバーであり、自分たちの仲間に仕立て上げるために罠にかけたのだ。


あとは彼らの言われるがまま、坂道を転げ落ち……。


ゲーム中で、ヒューゴ自身がそう語っていた。



「あああああああ! 魔法の祖パラケルスス! お助けをぉぉぉぉ! このままでは、私は研究支援を打ち切られて追い出されてしまいます! そうなったら……うぁぁぁぁ……」



ヒューゴは天を仰ぎながら叫ぶ。



「お嬢様。あれが閣下の仰った変人です。さあ、行きましょう」


「大丈夫よ、フュリオ」


「近づいてはいけません! 危険です!」



私はフュリオの手をすり抜け、ヒューゴへ近づいていく。


彼をここで助ければ、数百人の子どもたちを救うことができる。


前世の記憶を持つ私にとって、彼を助けない選択肢はなかった。



「大丈夫ですか?」



ヒューゴは弾かれたように顔を上げる。


作品の続きに興味・関心を持って頂けましたら、ブクマ、★をクリックして頂けますと非常に嬉しいです。

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