表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/22

第1話 開幕

この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません

 真っ暗な闇が広がる空間。


 その黒く塗り潰された空間の中にて、一つの薄白いスポットライトが(とも)る。


 スポットライトが照らすのは、漆黒のタキシードに身を包んだ一人の男。年齢は見たところ二十代後半あたりか。左右に綺麗に分けられた白い髪は、その毛先が肩や首の付け根あたりまで届いており、男性としては特徴的と言えるほどに髪が長い。


 タキシードの男は大仰に両腕を広げ、高らかに声を発する。


「レディース、アンド、ジェントルメン! 皆々様、本日は我らが狂演遊戯『リバースエッジ』にようこそおいで下さいました!」


 リバースエッジ。

 それは、このタキシードの男が所属する結社、通称『組織』が運営する裏闘技。


 試合形式は、六名の参加者全員が同時参加するバトルロワイアル。

 六人が好きに殺し合い、一人が残るまで試合は続けられる。


 試合の舞台は、深夜のとある地方都市。

 普段は大勢の人間が住んでいる近代的な街だが、『組織』の力によって、『リバースエッジ』の開催期間に限り住民たちを排し、無人の街となっている。


 無人の街を一つ、丸ごと使ったバトルロワイアル。

 これだけでも極めて大規模な事業だが、『リバースエッジ』の真価は、この殺し合いに身を投じる参加者たちにこそある。


 参加者たちは、それぞれが超人的な能力を有している。

 単独で軍隊一つを壊滅させられるほどの戦闘力の持ち主。

 あるいは、人智の及ばぬ天与の才覚の持ち主。


 皆が皆、最強の殺し屋たち。

 そんな六名が一堂に会して、殺し合う。


 もちろん、殺し屋たちとて何の見返りも無く、このような裏闘技に参加するわけではない。


 参加者六名の目的は、ただ一つ。

 この『リバースエッジ』の唯一の生存者に与えられる優勝賞品。


 その内容は、『生存者が望む願いを何でも一つだけ叶える権利』。


 願いの内容は『組織』の力で叶えられるモノのみに限定されるが、『組織』が保有する各種リソースは計り知れないものがあり、国一つ程度なら容易く動かすことができる。よほどの内容でない限り、あらゆる願いは叶えられるも同然と言っていい。


「さぁ! それではさっそく! 今宵、刃を交える六人の参加者たちを紹介いたしましょう!」


 タキシードの男がそう宣言すると、新しいスポットライトが六つ(とも)り、六人の男女の姿を闇の中から照らした。


挿絵(By みてみん)


 一人目の参加者。

 現代に生きる忍者、如月鋭介(きさらぎえいすけ)

 見た感じは、黒い忍者装束に身を包む男子高校生といったところ。


挿絵(By みてみん)


 二人目の参加者。

 謎の天真爛漫美少女、阿東(あとう)カナ。

 如月と同じくらいの、女子高生ほどの若さ。


挿絵(By みてみん)


 三人目の参加者。

 元三代目白鷺組組長、白鷺凪(しらさぎなぎ)

 亡き父の後を継ぎ、極道の世界に身を投じた、外見年齢三十歳前後の女性。


挿絵(By みてみん)


 四人目の参加者。

 最悪の悪徳刑事、九頭巡一郎(くずじゅんいちろう)

 世の中の全てに対して諦観しているような雰囲気の、やつれた男性。


挿絵(By みてみん)


 五人目の参加者。

 北の死神、セルゲイ・スニマスキー。

 目付きが鋭い、ロシア出身の中年男性。


挿絵(By みてみん)


 六人目の参加者。

 南の戦乙女、リリアン・マハマット。

 常に明るい微笑みを浮かべている、二十代後半ほどのアフリカ人女性。


 彼ら六人、いずれも超常。

 それぞれの活動域(テリトリー)にて、最強と(うた)われる殺し屋たち。


 今宵、それぞれの願いをかけて、彼ら六人は闇に包まれた街で殺し合う。


 生き残るのは、ただ一人。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ