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その転移者は特別です。  作者: 波留
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第6話 契約の恩恵



「はぁ……はァ、クッソッ!」


どれくらい続いたか分からない痛みがやっと引いてきた。

平衡感覚、時間感覚、視覚、聴覚、味覚…………。そのほとんどが消失するほどの痛みで、その感覚がやっと戻って来て居てる。

アスタロトが回復してくれてなかったら確実に死んでいた。


「お目覚め?」


アスタロトの声がし、段々と視界が開けてくる。


「……っ、僕は…」


「ほら、見てみなさい。」



そう言ってアスタロトから手渡された僕のステータスプレートには、しっかりと職業が刻まれていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Lv1


名前:来栖崎 奏


職業:半人半魔 (原初の魔 アスタロト)



筋力:900

敏捷:800

耐久:600

魔力:3000


攻撃力(筋力+魔力):3900

守備力(耐久+魔力):3900



固有能力:属性変換[極] 再生 強欲


スキル:半魔人化・魔力操作・魔力感知・身体能力強化・ボルテージ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


職業、固有能力だけじゃなく各種パラメータも元の数値より何十倍にもなってる。


「どうして……?」


「見せてみて。…………ふーんまあまあね。私の固有能力もしっかりあるわね。」


アスタロトは満足気に頷く。


「貴方は勇者や戦士とかの素質じゃなくて、魔族への適性と素質が飛び抜けていたわ。それが私の魔力を与えた事によって半人半魔となって、力が顕現したってところね。」


「あとパラメータはオマケ」と軽く言う。

軽く言ってるが、初期で勇者である比良坂の倍あったりするんだが。


「アスタロト……。君は何者なんだ?」


「……私は原初の魔族 アスタロト。古の魔界を統一させた魔族でも有るわ。別名 統魔なんて呼ばれてたわよ。」


「…………。」


結構やばめの実力を持っているらしい。

そんなことを思っていると、アスタロトは「さて、」と言葉を続ける。


「私が契約したんだからもちろん私の眷属ってことで指示に従って貰うわよ?」


「…………。」


んーー。……わかってはいたが……。やはり手駒にされるか。

自分としてはいち早くこの世界から脱出をしたいのだが……。


「……わかった。」


歯切れ悪くそういうとアスタロトはまたもや笑みを浮かべる。


「ふふ、冗談よ。あなたってほんと面白いわね。」


「…………うざ」


「契約主にウザってなによ!?」


「ま、ともかく指示なんて殆ど出さないわよ。奏の自由にすればいわ〜。」



……逆にそれはそれで心配になる。

そんな自由な感じでいいのか……?

想像してたのはもっと……キツめというか。


まあけどアスタロトがこういってくれてるんだ。

そのこと考えないでおこう。


それで……


「アスタロト、ここってどこだ?」


「ここは魔界の最奥。出たいなら出してあげるわよ?けど戦闘経験がなくて、早死されたら困るから魔界の……上層辺りでいいわ。そこで鍛えてきてね。」


「……出たいけど、比較的弱めのところが…「出たいのね、行ってらっしゃい」…ちょ、話きいてよ!!」


魔法陣が足元へ浮かび上がりそこの場から離れるよりも早く魔法は展開されたのだった。








移動した先に広がっていたのは平原のような場所だった。

だが雰囲気が重く、薄暗い景色。

雷鳴が断続的に鳴り響いて大気を揺らしている。


「ここが上層部……?」


下に行くほど強くなって行くって考えればここはまだ序の口なのか?……頭がまだ色々追いついて居ない。


ひとまず固有能力の詳細を……。

僕はそう言ってステータスプレートを取り出した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


固有能力


属性変換[極]:原初の魔族 アスタロトの固有能力の1つ。

ありとあらゆる属性に変換、操作が可能になる

属性同士を複合、分解することも可能。


再生 :原初の魔族 アスタロトの固有能力の1つ。

体の傷や欠損を回復させる。

「強」⋯魔力の再生も可能。

「極」⋯身体と魔力の再生速度、再生力を 大幅に増加させる。


強欲 :相手を殺すことで相手のスキル、固有能力

を奪い自身の物とする。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



(あ、言い忘れてたんだけど能力の強さを表すのは[強]と[極]よ。それはレベルが上がるにつれてなると思うわ)


「うわっ!びっくりした!!」


突然頭の中にアスタロトの声が響いた。

驚きのあまりプレートを落としそうになる。


(そんなびっくりすることないじゃない)


「びっくりするだろ……これも魔法なの??」


(いや違うわよ。貴方と私には主従関係があってそれの特典って感じ。けど常には疲れるから用がある時だけね。)


まぁ、24時間毎日監視されないだけマシか……。


「なぁアスタロト、聞きたいことがあるんだが。」


(なぁに?)


「ここから地上まで戻るにはどうすればいい。」


そう、僕の目的はとりあえず地上へ出ること。

周囲を見渡すが地上へ繋がるような道などは全く見えない。


(…その平原のどこかには転移魔法陣がある。そこに行ったら次の層へ行けるわ。)


「ん?次の層?」


(言ったじゃない、上層って。そこから下に下に潜っていくのよ。上層、中層、下層、最下層、深淵、最奥。ここまで来たら地上へ戻してあげる。)


「おい!!謀ったな、1番最初からかよ!鍛えて来いってこういう事だったのか!!」


(知らな〜い。)


あの痴女め、絶対にしばいてやる。



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