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魔王さま



『人間は考える葦である。』という有名な言葉がある。


俺はこの言葉の意味を知った時、あれ?著者は無知なのかな?っと思った。何故なら葦という植物は著者が言う様な弱い植物では無いからだ。

根は太くどこまでも伸び拡がる。そして成長が早く葦の群生地には他の植物が生えずらくなるぐらいだ。水田など放置してたら葦でとんでもない事になり、再度使える様にするにはものすごい労力が必要となる。


だから著者は葦について無知だと思った。


しかし見方を変えるとどうだろう。

それはスゴく良い言葉に思えた。


物事を考えない人間は葦の様に無秩序に繁殖し周りを食い散らかす。


なんと皮肉が効いてて言い得て妙なのだろうと感動すらした。


『人間は考える葦である』という言葉が頭をグルグル回る。



俺は今、人種国家の収支表を見ていた。

国の財政を確認し思う。王様達3人を捕らえさせた勢いで資料を持ってこさせたけど俺は何がしたかったんだろう?


それにしても何で王家や貴族ってこんなにお金を使うんだろう?結構凄い金額払われてるよ。


高価な服着る必要ってあるのかな?

そう言えば昔勤めていた会社の社長が「健全なる精神は健全なる服装に宿る」とか意味不明な事言ってたな。そもそも服装じゃなく身体だし、元々の意味も違うのにね。健全な精神は宿ってもマトモな思考は宿らなかったのかな?

まぁ高価な服を着る事には見栄と自慢、あとは趣味以外思い当たらん。


しかし面倒臭い。

内政チートで云々とか、やろうと思うとチョーメンドくない?

そんな事やろうとも思ってないけど、奴らスゲーな!



よし、初心に戻ろう。


俺の目的は宇宙船に戻って宇宙旅行。

その為には魔王のやろうとしている儀式の阻止をする必要がある。


ついでにエリザとクリスに格好良いと思われたい。とかでは無いけど、取り敢えず戦争も止める。


かな。


異世界小説の様に現代知識使ってコツコツととか気の迷いを起こしたけど、そんなのどうでもよかったわ。


では、参る!




という事でやって参りました。


どこにかって?


魔王の目の前でーす。


チートの腕輪はスゴいね!流石、異次元の謎技術!


捜索魔法で魔王の居場所を特定、飛行魔法で近くまで移動。あとは隠密魔法で魔王の部屋に侵入してから結界魔法で囲って誰も邪魔出来なくしたら終了です!


転移魔法で一気にって思ったんだけど出来なかったんだよね。たぶん転移先を俺が知らないからだと思う。転移魔法にそういう制限があるのは定番だかだろうね。


因みにエリザとクリスも連れてきてある。魔王との会談の証人にする為だ。格好良いところを見せたいからでは無い。


「はーい、魔王様。げんきー?」


暢気に声を掛けてみる。

チートの腕輪があるから怖いもの知らずである。


「む、誰じゃ?」


魔王様は幼女だった。80年前から代替わりをしてないらしいから年齢が80歳以上は確実だけど幼女だ。


さて変態紳士淑女の諸君、幼女魔王と聞いてどんな容姿を想像した?

そうだ!きっと皆が想像した通りの幼女魔王が目の前にいる。羨ましいだろぅ!


「人種に救世主とか言われてるピエロです。名前はクロと申します。今回は確認と提案とお願いがあって参りました。」


ピエロらしく大袈裟に頭を下げてみる。


「ほう、ここまで3人でやってくるとは良い度胸だ。死ぬ覚悟は出来ておろうな!」


「いや、そういうのいらないんで大丈夫。取り敢えず座って話そ?」


そう言って部屋にあったソファーに勝手に座る。

エリザとクリスを見てみるとガタガタと震えている。どうしたのかと聞くと魔王の魔力がとんでもなく凄くて怖いらしい。

俺は何も感じない。だってしょうがないじゃないか、この世界の住人じゃない俺にはそんなもん感知する器官なんて無いんだから。


「う、うむ。」


魔王は戸惑いながらも対面のソファーに座る。

動きがどう見ても幼女である。


「じゃぁ確認からね。魔王さま達が戦う理由は、自分達が一方的に支配され虐げられるのか嫌だったからであってる?」


「うむ、そうじゃ。」


「それって誰からも支配されたくないって事じゃないよね?もしそうなら自分達の国を統治する人にも従いたくないって事になるけど。」


「・・・」


「あー、今はそこら辺はいいや。とりあえず奴隷は嫌だって事で良い?」


「う、うむ。」


よし、それが確認出来たら次に行ける。


「そこで提案なんだけど、人種以外の種族を全員魔王さま側に引き渡して、今後人種がそちら側に手を出さなければ戦争終わらしてくれる?」


「・・・それが万が一にも出来たなら良いじゃろう。」


言質とったどー!


「それとお願いなんだけど、魔王さまがやろうとしてる儀式って止められる?」


「なっ!なぜ儀式の事を知っている?どこまで知っているのじゃっ?」


ミヤに言われたからー。とか言っても分からんだろうね。


「いや、知ってる事ってそんなに無いんだけどさ。その儀式を実行したら世界が滅びるってのは知ってる。」


「・・・は?世界が滅びる?人種が居ない世界に仲間と共に行くための儀式なのだが?」


「うーん。どういう儀式かは分からないから確実な事は言えないけど、たぶんその儀式には欠陥があるんじゃないかな?知らんけど。

それよりも、さっきの提案が上手くいけば人種からは独立出来るから儀式の必要無くなるよね?止めてくれる?」


「う、うむ。そうなれば儀式の必要は無いからな。止めると約束しようぞ。」


よっしゃー!

これで仕事の大半は終わったも同然。


「しかし、そんな事どうやるじゃ?」


おっ、方法知りたい?なんなら見る?見ちゃう?



じゃぁ、おっちゃんと一緒に行こうね。ぐふふっ


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