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女医さんの名は・・・


俺は歩く。服を着ている俺が歩く。しかし服って何だろう?いや、別に変な服を着せられてるとかでは無いんだ。ズボンを貰って履いただけだし。謎素材だけど形状は普通のズボンだ。

TシャツトランクスがTシャツズボンになっただけ、けれどトランクスの時の無防備感がズボンを履いただけで無くなる。スゴくね?この安心感、大切にしたい。

でもさ、安心感を抱いたとしても直前に感じた羞恥心ってのは消えないわけで・・・


いやさ、さっきまで俺の構成要素のサンプルの採種ってのをしてたんだ。そう採種である。詳しくは辞書で言葉の意味を調べ色々想像してくれ。その想像と大きく違うって事は無いはずだ!


女医さんをチラチラと見る。直前の恥態を思うと素の態度になかなかなれないのは男の生態ではないかと思う。


とはいえ、こちとら人生に一区切りをつける程の経験をしてるんだ、大人の余裕を絞り出す事も出来るんだ!そして今更な事を聞いてみる。


「えーと。つ、つかぬことをお聞きしますが、お名前などお伺いしたりしても宜しいでしょうか?いや、あのーどうしてもって訳ではないんですけどぉ、今後協力ってのをする時にね、名前を知ってた方がコミュニケーションがとりやすいかなーと思ったりするんです。はい。」


取り敢えず下手に出てみた。こんな下手に出るのは仲の良い連中とふざけていた時ぐらいだ。


「別にかまわないんですけど、何ですその喋り方は?なまえ、名前ですか。そうですね・・・ではケーコとかどうです?」


「どうですって、教える気ないじゃないですかー。」


いやいや偽名であることを隠そうとせずに言うとかどういう事?ナンパヤローに無理やり名前聞かれて適当に答えた感じみたいじゃん。


「そういう事ではないんですよ。この世界のわたしの名を名乗ったとしてもあなたは発音出来ませんし、場合によってはあなたの頭がパーンッてなります。」


「え?頭パーンって頭脳的に?」


「いえ、物理的に。」


言葉は人をも殺す(物理)って、何それ怖いっ!マジで恐怖。だとしてもだ、何でケーコ?ケーコはダメだ。


「何でも良いならケーコ以外でお願いします!」


だって俺の嫌いな継母の名前だもの。それと一緒は流石にムリ!


「そうですか・・・なら、あなたが決めて下さい。あなたが呼ぶ名ですし。」


うーむ、そうきたか。1度は子供に名前をつけた事がある俺だイケる!でも、あの名前って漫画のキャラの名前なんだよなー誰にも言えないけど。


「じゃぁ、ミヤかリーネで!好きな方を選んで下さい。」


これなら元カノとかとも被らない。


「・・・では、わたしの事は今後『ミヤ』と呼んで下さい。」


女医さんの名前が決定!

まぁ、ミヤとリーネってキャラメイクが出来るゲームで女性キャラで日本人顔をミヤ、外国人顔をリーネってずっとつけてたからなんだけどね。これも誰にも言えないな。


「じゃぁ俺の事は「ちょっと待って下さい!」」


女医さんの急な制止発音に少し驚いく。


「今後ここで活動するのなら元々の名前は捨てた方が良いでしょう。なので新しい名前を決めて下さい。」


ほうほう、何故?


「認識の問題です。詳しく説明をすると長くなるの簡略して言いますが、元々の世界の名を名乗り続けるとその世界に引っ張られ強制的に戻されます。そしてその際、あなたとその世界の次元のズレによってその世界は崩壊します。」


な、なんと、俺が世界を滅ぼす魔王だった!

それならしゃーない名前変えるか。第2の人生、名前を変えたって良いじゃないか!しかし、ゲームで男キャラに名前つける時って名前なんて呼べるもんつけなかったしなぁ。


「ミヤさんの名前は俺が決めたんで、俺の名前はミヤさんが決めて下さい。」


名前の交換、つけ合い。特別感があって良いじゃない。


「・・・では、異次元単体転移特殊変異有機生命体特別思考型pj7かたさやなけさあpagagd43438=・・・・・・(10秒経過)とかどうです?」


いやいや、長い長い!そして途中から何を言ってるのか分からなくなったし!そもそもそれは名前じゃない!


「おい、ミヤさんや。お前さんは俺を呼ぶ時に毎回それを言うつもりかい?そして俺は呼ばれいる間、どんな顔で呼び終わるまで待てばいいと?」


「ふむ、適切な識別名だと思ったんですが、確かに長かったですね。では略して『クロ』と呼びましょう。」


・・・略してクロかぁ。どこをどう略すとクロなんだ?寧ろ略って何だ?それを聞いても考えても負けな気がする。もういいやクロで。


「はい、じゃぁ俺はクロで。改めて宜しくミヤさん。」


そう言って手を差し出すとミヤさんは握手を交わし「さんは要らないです。宜しくね。」と笑顔で言った。




それからは普通に生活施設の案内を受け、食事をし床に就いた。


俺に与えれた部屋は六畳よりやや広め、風呂とトイレ有り。備え付けはベッドとクローゼットのみ。金が無いまま1人暮らしを始めた頃を思い出す。


食事も普通だった。


なにやら俺の構成要素のサンプルから得た情報で生活様式を算出し、それに合わせて施設を新しく作り食事も作ったらしい。この世界の技術力はハンパねーっす。


そして皆さん、朗報でーす。


なんとこの船の乗員はミヤ1人だったそーです!


ぐふふっ!今この船内にはミヤと俺の二人きり。おじさん変な気起こしちゃうぞー。


いや、何もしないけどね、男だしエロい事はしたいと思う気持ちは、勿論ある。でもさ強制送還とかされたら嫌じゃん。それに恋愛やらヤった後の責任云々とかそういうの、しょーじきめんどくせー。と思うわけよ。ホントめんどくせーのよ。

社会不適合者で人間失格、そして人生に一旦区切りをつけた俺だから言うけどさ、マジでめんどくせーんだよー!


おっと、取り乱してしまった。


うむ、これはきっと明日からの宇宙の旅にワクワクし過ぎて思考が暴走してるんだな。きっとそうだ。よし寝よう。


おやすみー



あっ、そう言えばミヤって宇宙人なんだよな。本当の姿とかってあったりするのかな?変身を後2回隠してる的な・・・触手の化物とかだったらどうしよう・・・嫌だな。


考えてもしゃーない。ねるぞー!


おやすみー



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