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ヤバイ奴

「えーと、結論を言うと?」


その質問に女医さんはニヤリと笑い。


「あなたの余命はあと3日です。」


は?


えーと、あの話があれと繋がって、それがそっちに掠めて、斜め45度から抉るようにガッときて、そしてその結論が・・・


は?


「フフっ!いやーウソウソ!君はまだまだ死なないんじゃないかな。知らんけどさ。で、本当の結論を言うなら君から見たらここは異世界って事!まぁ厳密に言うなら違うんだけどね。でもまあ君から見たら異世界って認識の方が分かりやすいから異世界って事で良いんじゃないかな?」


と女医さんはニヤつきながら早口に言い。うんうんと頷く。


う、うん。そうだね。さっきまで聞いてた話ならそっちの結論の方が正しいですよね。そうだと思ってた。うん。うん?


異世界。異世界かー。


俺は仲間や同類だと思われたのだろうか。そうであるなら心外である!心外なんだけどなー、この女医さんと仲良くなれるならそれもアリか?


いや、ちょっと待て俺!ごっこ遊び好きならアリだ。寧ろどーんと恋っ!だ。しかし、もしガチならヤバイ。何がヤバイって、メンヘラなら前世がーとか運命がーとかちょっとどいてそいつ殺せないとかで怖いけど、この「ここは異世界です。」ってパターンは意味不明過ぎてヤバイ。どうヤバイのか分からないぐらいヤバイ!


「うん。混乱してるようだね。分かる分かるよ。通常こんな事は無いからね。私も驚いているのさ。とはいえいつまでも混乱されてては話が進まない。まずは納得して貰わないとね。着いて来たまえ。」


女医さんはそう言うと立ち上がり診察室の外に出た。これはガチかごっこか、どっちだ?いや、逃げるか!


とは思うものの、気が付いたら病院って事はたぶん俺は倒れて救急車か何かだ運ばれたって事で、病気だと怖いし、帰って良いかの確認も必要だよな。てか、ここどこの病院なんだろ?あっ!診察代あるかな?


財布の有無を確認しようと自分の体を見下ろす。Tシャツとトランクス。これが今の俺の装備。俺が寝た時の格好だね!どゆこと?


ため息一つ、もう諦めて女医さんに着いて行こう。


診察室を出ると女医さんは待っており、俺が診察室から出るのを確認すると歩き始めた。


そんな女医さんの尻を眺めながら思う。椅子に座ってる時、トランクスの隙間から女医さん見えたんじゃね?と。


ちょっと恥ずかしい。


「あー、どこ行くんです?」


気になる事は多々あれど、それらを無視して質問してみる。


「君に分かりやすく言うなら、そうだね。管理室とか操縦室、そういう感じの所だよ。」


そっかー、ソーナンダー。女医さんの尻を凝視していた目線を横に向ける。やっぱ無視出来ないかぁ。


女医さんと歩いている廊下の壁は一面ガラス張り。その向こう側には何処までも続く闇と幾つもの光点。俺は芸能人ではないから『ドッキリ大成功!』なんて看板を持った人が現れるとは思えない。それに俺にドッキリを仕掛ける為にこれだけの準備をする奴がいたら馬鹿だ。


もう諦めよう。現実逃避しててもしょうがない。納得するしかないんだ。


あれは宇宙だ。


俺が諦めの極致に達するのと同時に女医さんは廊下の突き当たりにあった扉の奥へと入っていく。それに続く俺。


室内は案の定、大きなモニターや操作パネルらしきモノ、そして正面の巨大な窓の外には見晴らす限りの宇宙があった。


「あれ?その顔はもう納得出来たのかい?」


女医さんは俺の顔を見てそう言う。たぶん俺は賢者タイムに突入した時の顔をしているのだろう。


「はい、もう分かりました。最初はヤバイ病気だったらどうしようとか思ってたんですけどね。途中からは夢かもと考えもしたんですが諦めました。納得するしかないんですね。」


そして俺は意を決して女医さんに問う。


「俺は幻覚が見える程のヤバイ頭の病気なんですね?やっぱあれですか、毎日寝る前に宇宙に行く方法とか考えてたから現実と妄想の区別がつかなくなった的な?あっ、はっきり言っておきます。俺は違法薬物なんてやってないですからね!」


俺はてっきりぶっ倒れて運ばれてきたと思ってた、けどそうじゃなく、幻覚をみながら夢遊病のようにさ迷ってるところを保護されたんだろう。なにそれ怖い。えっ?て事は女医さんも幻覚?本当は脂ぎったおっさんだったりするん?ヤバイ、ここが本当に病院かもあやしくね?


何も信じられませーん。俺、終了のお知らせ!


「・・・どうしてそうなった?」


女医らしき物体はそう呟くと慌てて言い募る。


「いやいやいやいやっ、ちょっと待て!何でそうなる?どうしてそうなった?落ち着け。まずは落ち着け、なっ!」


目の前の美人女医風おっさん(仮)がそう言う。が、俺はそんな奴に言わなければならない。


「お前が落ち着け。」


バチーン


うっほ!ひっぱたかれた!

親父に・・・は殴られた事もあるしひっぱたかれた事もあるな。うーむ、そう言えば昔付き合ってた彼女に部屋にあったエロ本投げ付けられた事もあったなー。


じゃなくて痛てぇ!マジで痛てぇ!夢じゃない!いや、それは分かってるんだけどさ。流石に殴られたら怒るべきだろ!おっさんには容赦しねぇ!


「おい、コラッ!なにしやがんだよ!」


怒りにまかせ美人女医風おっさんの胸ぐらを掴む。ちょっと触れた胸が柔らかい。やわらかーい。これが太っちょのおっさんだと思うと、とても悲しい。


「ご、こめんなさい。叩いた事は謝るから、ね。落ち着いて話そ?」


うむ。謝られたらしょうがない。落ち着こう。

しかしだ、ちょっと触れただけだが結構大きかったぞ。男にはあの大きさは出せまい。何がとは言わないが。しかもあの柔らかさ、俺の経験上本物だ!


「あー、女?」


そう聞いた瞬間、俺の頭に響く鈍い音。目の前には女医さんから伸びる腕。ですよねー、と思いながら意識が薄れていく俺であった。



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