部屋割りと悩み
更新しました。何とぞよろしくお願いいたします。
一通りパスカル一家に自己紹介を終えた。一行の一部のメンバーが気になっていたのはバスの中でアミールが自分が三姉妹の次女という事を言っていた。しかしこの場にいない、それを気にしていた一部のメンバーの一人が。
「あの~。」
「?どうしました?」
光はこの下宿家の主のエンゲルに声を掛けた。
「アミールさんに聞いたのですが、もう一人娘さんがいると聞いたのですが‥。」
光は恐る恐る聞くとエンゲルは
「エミーリエの事ですか?あの子はこの近くにあるパン屋の息子と2年前に結婚しましてねぇ。」
「‥ええっ!そうなんですか!?」
光はやっぱりそうだったのかと思わず声を荒げたが、エンゲルは関係なく
「はい。私にとっては義理の息子は知り合いの息子ですし、それに立派な好青年ですかね。妻もこの結婚には反対しませんでしたよ。今じゃエミーリエには一人の男の子がいまして私にとっては孫ですが、あっ!孫の名前はボリスって言うんですよ。そりゃあボリスはもぅ可愛いくて可愛くて‥一昨日義理の息子がパンを届けてくれたときに娘も来てしかもボリスを連れてきてくれて本当に嬉しくて私は孫をーー」
とエンゲルは娘のエミーリエと孫のボリスの話を貫禄の男とは思えないほど嬉々の表情を浮かべながら語り始めた。一行の大半のメンバーは
“まずい地雷を踏んだ”と思ってしまった。それが後の祭りだった。
エンゲルはだんだんとボリスは自分にとってはどれぐらい素晴らしいものかと熱弁を奮った、しかもそれが止まることなくエミーリエと義理の息子の素晴らしさを自慢げに語り始めたマシンガントークのように早口で喋り続けている。不思議な事に早口でも噛むことはなく相手に伝わって来ている。
一行は話を出来る限り話を聞いて恐らく途中でこの話を止めると不機嫌になるかも知れないと思いただ聞いて上げていた。
‥しかし結婚、子どもがいるという発言に一部のメンバー達の淡い期待が打ち砕かれたと言っても過言ではないほど心の中で落ち込んでいた。‥‥がほんの一握りのメンバーは‥諦めてはいなかったのであった。
そして時間的には15分程度だったが感覚では長い時の時間を感じたエンゲルの孫自慢の話が終わり聞いていたほうも疲れながらも大輝は
「えっーとこれより俺が前々から決めて考えた部屋割りの話をするでー」
大輝は一行に言うとから上着の内側ポケットから綺麗に折り畳めたA4サイズの紙を取り出して一行に見せるようにした。
101 野上大輝 102長池啓太 103川垣巧
201 中岡心 勝川達之 202 竹中繁、カイ・リュウセイ
203 西南秀 中城遊馬 204矢口光 伊藤翼
301 兼田明弘 五島勝 302伊藤空 三戸成業
303 吉村浩司
「ということになったんでよろしー」
「「「いやいや!」」」
大輝が言い終わる前に一行のほとんどのメンバーが言葉を制した。
「なんでわしら二人部屋なのにおんしらは一人部屋なのじゃ!」
「啓太は月曜日になれば別の学園に寮に行くのは分かる。巧は女の子なのは分かるけども、お前と吉村がなんで一人部屋なんだよ!?」
「僕は男だよ!?」
「一人部屋はうらやましいですよ!‥‥まさかアミールさんやカロリーナさん‥‥もしくはエヴェリーナさんを自分の寝室に呼ぶために!?」
「んだと!?」
「吉村‥てめぇ。」
「‥見損ないましたよ。先輩。」
「裏でいくら売ったんだ?‥おっ?」
「いや俺に言ってもというか無実だし‥‥。」
と苦情を言う面々、一部のメンバーが吉村に敵意をむき出しして今にも吉村が私刑される寸前対して野上大輝は
「いや~“偶然”ってのは恐ろしいな本当。まぁ決まったもんは仕方ないで?もぅ金を払っちまっているから。‥‥まぁここまでの費用と部屋のキャンセル料を全額出してくれたら考えてもええでなぁ」
悪びれもせずにただいやらしくニヤニヤしていた。どうやら文句は受付はしないようだ。
一行の大多数のメンバーは
“こ、この野郎!”
と思ったが。
「‥ただ月曜日から啓太がいなくなったら、誰か一人だけ一人部屋に回してもええんやけどな。」
と大輝は意味ありの発言をすると。
「先輩!‥出来れば俺をお願いいします!」
「‥‥日本に帰ったら俺様の秘蔵DVDを上げるぜ!」
「あっ!それずるい俺も俺も!!」
と殺到してきたのであった。
ちなみにこの会話全部日本語なのでパスカル一家の面々には何を言っているのかわからないが、何か騒いで喚いていると思われていたのであった。
一行はその後各自部屋に向かった。なお夕食は先にあの地獄だった。ミュウミュウ空港からリュウヘン空港の行きの飛行機内で食べていたので明日の朝には一階の食堂で食事提供される予定となっている。
また予定では明日の9:00頃にコルティスに日本から一行の追加の荷物が届く予定となっている。
101 野上大輝の部屋 21:45
室内の壁紙は白で統一された部屋だが、ベットの真上の天井にうっすらとシミが見えている。それでも部屋は綺麗で掃除が行き届いておりクローゼットの内のあまりに気にしない場所の所まで部屋の掃除が行き届いているほどであった。また室内の調度品の家具は真新しくように見えているが、残念な事に部屋には窓がある。窓があるが部屋の関係上、窓を開けても外の隣の建物がすぐ目の前に見えて外の風景が見えない位である。【なお余談だが隣のコルティスと隣の建物の間には人が一応通れるほどの隙間がある路地がある。】
しかし大輝はそんなことはどうでも良いのか部屋の椅子に座って机で何かを書いている。
時折書くのをやめて、長考して書いた紙をぐちゃぐちゃに丸めて近くにあるゴミ箱に投げてもう一度書き直している。
「けっこう難しいなぁ、これは‥‥。」
大輝は赤毛の頭を掻きながら書いている。書いている書類はこの留学先の一行達にとってもある意味大事なものでもある。
「‥‥明弘は出来るか?‥勝もなんか怪しいなぁ~。」
大輝が書いているのは‥‥コルティスの下宿のちゃんこ番【料理番】の分担表であった。
コルティスを部屋をこの約4ヶ月ほぼ借りているとは言えとは仮にエヴェリーナの一人で家族も含めて15名の料理提供は大きな負担となる。そこで月曜日の夕食から出来る限りのパスカル一家の負担を減らそうと考えいたのであった。
二人一組で毎日、朝夕食の調理手伝い【休日の昼食も】を考えていてこの事は数名の仲間と話し合いをして了承を得たのであった。
‥しかし大輝が知っている限り自分も含めて数名の料理のスキルは知っているが、多くのメンバーが料理のスキルが未知数な為に出来る限り大輝は二人一組の一人を自分が知っている人間を入れようとしたが、どうしても知っている人間の負担が大きくなっているなと思いながら書いている。
「‥‥留学先で食中毒とか入院は御免やな‥‥。あっでも異国の病院のナースさんを見てみたいなぁ‥クックッ。」
と言いながら書類を書いている野上大輝であった。