飛行機にて 天国と地獄
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日本の成田空港からルドパンクレイズ王国に向かう直行便がないためルドパンクレイズ王国に入る前に他の国の都市の空港に寄らなければならない。ちなみ乗り継ぐ空港はドイツのミュンヘン空港に約一時間滞在してそこからルトパンクレイズ王国の空港“リュラン空港”までの到着時間が約21時間40分でそこから北に向かい王都とまで車で何事もなければ約一時間かかるという計算になっている。
幸いなのはルトパンクレイズ王国に到着するのは土曜の夕方の約16:25になる為に到着後に1日休めるという事になっている。しばらく到着して現地の時差になれないと思うがそこは各々が頑張っていくしかないという判断で決まった。
ミュンヘン空港行き飛行機内のビジネスクラスにて
「旅客機にシャワーを浴びることが出来るなんて知らなかったなぁ。それに個人専用の寝るシートがあるなんて‥‥。」
「しかも飛行機のビジネスクラスは俺達全員が貸しきっているなんて流石‥先輩ですね!」
「ゆっくり寝れますね‥‥。これは。」
「飛ぶ前にまさかウェルカムドリンクが出るとは思ってもいなかったなぁ。」
「機内食も上手いもんだな。ただ肉の量が少なすぎるのが俺様は駄目だなと思うぜ。後筋トレルームがないと駄目だな。‥‥飛行機で腕立て伏せをしてみるか。」
「ちょっと!ここで筋トレをしないでよ!!」
「はぁ‥こうして先輩達と一緒に留学できるなんで夢見たいだべ。」
「これは下手すると一生に一度しかない貴重な体験だな。」
「あの金髪のキャビンアテンダントの姉ちゃんの尻が良かったな。もうちょと俺が屈めば見えるんだけどな‥。」
「俺は眼鏡を掛けた巨乳の姉ちゃんがいいなぁ。」
「次は誰だろうな!」
「‥‥くだらねぇ。恥ずかしいぞ?お前ら。」
「皆さん?使わないアメニティグッズ俺にくださいねぇ。」
「‥‥ええっ?」
「‥‥‥Zzz。」
各々が次々とそう言っている中
「‥‥なぁ大輝?」
「なんや?」
「ここのビジネスクラスでは酒類はタダかのぅ?」
「まぁこの俺の会社の飛行機やけどビジネスクラスは確かタダや。」
「‥‥出来れば飲みたいんじー」
「王国に着くまで我慢せんか。大量に酒飲んでミュンヘン空港職員に見つかって基準値をオーバーしたりしてみろ。日本大使館に通報されて強制的に嫌でも日本に還させられるで。そこまでは面倒みきられんで。」
ちなみにドイツでは16歳&17歳の場合、アルコール度数の弱い酒【ビール、ワイン、シャンパン】なら、公共の場で飲んでも可能で喫煙そして酒の購入は18歳からという法律である。
心が基本飲みたいのは清酒やアルコール度数が高い酒でしかもザルな男のために下手をすると飛行機内のアルコール飲料がすべて心の腹の中に入る恐れもあるために酒を控えるように大輝は言うと
「‥‥わかったぜよ。その代わりに王国の酒を飲むからなぁ。俺は‥‥」
と不服そうな顔をしながら自分のビジネスクラスシートに両手を後頭部に乗せてそのまま眠りについていびきをあげなから眠りに着いた。
大輝はやれやれと思い窓の外を見た。
高度一万メートル青白き空と下には厚き雲が多数見えて、雲切れ間には山々が見えた。下は日本からもう離れている。恐らくは大陸の山々の一部だろうと思いながら大輝は見ていた。それを見ながら大輝は胸ポケットから写真を出した。
写真に写っているのは、一人の女性のようだが大輝は写真の女性を見ながら楽しみにしていた。ここ数年にてヨーロッパの社交界、貴族に名を轟く女性が住んでいる国に行けることが楽しみであった。そう思いながら写真を胸ポケットに入れてもう一度眠りについたのであった。
ドイツ ミュンヘン空港 現地時間 9月12日 12:38
ミュンヘンの空は雲に覆われ薄暗く風が弱風の為に外の気温ならびに体感温度が寒いと本能でわかる程であるが、ただ全員がミュンヘン空港のターミナルから大分離れた滑走路まで車で輸送された。滑走路はリュラン空港行きだが目の前の旅客機に全員が唖然としている。
四発のレシプロ機で全体が白色の機体のあちらこちら継ぎ接ぎがみられ、四発のエンジンの大分年季が入っているほどの機体であった。
「寒いなぁ。」
「‥なにこれ?骨董品?」
「日本でもないですよ?」
「戦前の機体か?これ?」
「んーー?‥‥あっ!この機体って戦争ゲームに出てきた機体だよ!確か‥‥フォッケウルフ‥‥そうフォッケウルフFw200だよ!」
巧は思い出すように言った。
フォッケウルフFw200【別名Fw200コンドル】
戦前のナチスドイツ時代にドイツフォッケウルフ社で製造された4発エンジンの長距離輸送機【旅客機】アメリカで製造された輸送費の名機ダグラス DC-3の成功により旅客機の市場が脅かされていたドイツでは、新たな長距離旅客機の開発を迫られていて製造されたフォッケウルフFw200である。
試作機は1937年7月に初飛行し優秀な性能を示した。
この機体は1938年8月10日にベルリンからニューヨークへ24時間56分で無着陸飛行を行ない、13日には19時間47分でベルリンに戻ってくるという当時としては素晴らしい快挙を成し遂げた。
同年11月28日に無着陸飛行では無いものの、ベルリンのベルリン・テンペルホーフ空港から東京都立川市の立川飛行場へバスラ・カラチ・ハノイの3箇所で給油した上で46時間20分52秒での飛行にも成功している。
当時としては素晴らしい旅客機とも言える機体だった。しかしWW2の際に軍用機に転向され長距離偵察機、爆撃機として扱われた。
しかし諸事情の為に1944年生産が終了するが生産されたのは276機と言われている。
「こんな所でこんな機体と会えるとは思ってもいなかったよ。」
巧は少し嬉しそうだった。
「えっ?まさかこの飛行機でリュラン空港に行くんですか!」
「先輩!これはどういうことですか!」
「本当に大丈夫なの!?これ棺桶じゃないよね!」
他のメンバーは大輝に詰め寄っている。大輝は
「まぁこの飛行機は一応数少ないルトパンクレイズ王国の航空会社の旅客機の一つや。まさか俺もこんな旅客機が来るとは思ってもいなかったで。」
大輝も苦笑いをしながら機体を触っていた。
そして‥‥。
「シートが固定で倒せねぇ。」
「すげーガタガタしているんだけど‥。」
「キャビンアテンダントの姉ちゃんがいねぇ‥‥。」
「飯は上手いけどなぁ。」
「おい!外を見ろ!大変だ!」
「エンジンの一個が止まっているぞ!?」
「おおっ!珍しいのぅ!これは!」
「滅多にない光景やな。」
「そうですね。」
「感心している場合ですか!」
「觀自在菩薩。行深般若波羅蜜多時。照見五蘊皆空。度一切苦厄。 舍利子。色不異空。空不異色。色即是空。空即是色。受想行識亦復如是ー」
「お経を唱えるな!縁起でもない!!」
「カイくん?怖いなら僕の隣に座って手を握りませんか?」
「嫌です!!」
「ルトパンクレイズ王国の幼女達に会うまでは死なんぞ!俺は!」
「やかましい!」
「カイ先輩今のうち生命保険に入りませんか?死んだときの保険の金額の受取人は俺にしませんか?」
「それ以上言うとそのまま外に放り出すぞ!!」
「‥‥Zzz.」
こうしてリュラン空港に向かう面々は色々と騒いでいたのであった。
まさに天国と地獄
次回はルトパンクレイズ王国に入国します!