第二話 去らば日本よ。また来るまでは
駄文です。しかし長いです。
ルドパンクレイズ王国
中央ヨーロッパの国家で国土が例えると日本の関西地方の2倍で南が地中海に面して温暖の気候で北部は穀物地帯が特徴の国であり歴史は古くかつては大国の属国だったが独立して主権を獲得。数々の侵略者に立ち向かいこれに勝利をして一時期は恐れられた。現代はスイスと同様の永世中立国として国連に加盟、二度の大戦、冷戦、現代まで生き残った。
この国の特徴は未だに貴族、騎士などの階級が残り多くの人々はこの国を
“最後の古き良き残る素晴らしき国“と呼ばれている。
ちなみに日本との国交は今から50年前に結ばれているが、あまりマイナーなのであまり知られていない。
王立ルクラルミア学園
ルドパンクレイズ王国が今から約200年前に国内二番目に作られた学園で主に平民、騎士爵、農民などの子供達が通う学園。ルクラルミアとは元々学者でもあり創立者のブノア・ルクラルミアのルクラルミアという名を作られた学園で規模は大きく日本で言う中高一貫校のような学園でもある。事実この学園の卒業生の中からルドパンクレイズ王国の外交官や国際的にも活躍された人材が登場している。生徒寮が存在するが実家から登校は可能である。
留学決定となった日から彼等は急いだ。期限はなんと10日後と言われ各々は各自その日の内に準備を急ぎ必要品を買い揃え急いだ。
ある者は、身内にしばしの別れを伝えたり、彼女がいる者はしばしの別れる事をして二人きりで甘い時間を過ごしたりしていた。
またある者はルドパンクレイズ王国に“大事な物”を空輸するために野上大輝に通じて裏で申請したりと動いていた。そんな時に野上大輝はある男と話し合っていた。
東京都 某区 タワーマンション 18階 時刻20:14
タワーマンションだがグレードは高いなぜなら内部は上品なデザインで、外装のタイルにも金がかかっており、いくつもの部屋があり広く昼は太陽の日差しが窓ガラスから入り、夜は東京都の夜の夜景が見える素晴らしい部屋でしかも家電製品がここ最近発売された製品ばかりである。
この部屋の持ち主は野上大輝 彼はこういった部屋をこの年齢で東京都でも5件ほど持っている。なぜ?彼は複数の部屋を借りているか?それは本人いわく
「隠れ家的な物」
と仲間に言っていたほとであった。
そんな野上大輝が部屋でソファーに座りながら後輩と話し合っていた。
「先輩‥‥なんで俺だけ別の学園なんですか?」
「悪いなぁ。お前には空きがなかったんや。‥‥まぁ詫びの変わりに食ってくれや。」
「‥‥はぁ。」
その男は黒髪の長髪の丸眼鏡を掛けている。
男の名前は長池啓太
大輝からすれば一年後輩の男がテーブルに置いてある料理を見て色々とため息をこぼれていた。
「‥‥なんでテーブルにクッキー、ケーキ、パイ、みたらし団子などの甘いものばっかりなんですか?」
「嫌いなのか?これはお前のために老舗の店から取り寄せた素晴らしいものやぞ?」
大輝はまるで困惑した表情を浮かべていた。
「嫌いではないですが、この量全部食べると俺後で胸焼けしますよ?なんですか?この量は?」
長池はテーブルの上が皿の隙間ががあまりないほどの甘い物が置かれ団子等がどうみても一人前には見えないほどのピラミッド上の様に積み上げていた。
「えっ?こないな“少ない量”で胸焼けするとはお前大丈夫かいな?留学前に医者に見てもらったほうがええで?」
「‥‥。」
長池を心配する大輝だが長池は思ったのは
“あんたこそ病院に行った方がいいぞ”と思っていたが流石に口を出すことはなく
「‥‥先輩も一緒に食べましょう?」
「えっ?ええんか?いやー!先輩思いやなお前は!」
と言いながら大輝はケーキを自分の器に取り寄せて食べ始めた。
「このブルーベリーケーキは上手いんや!それは老舗独特の伝統と歴史が詰まっているケーキなんやで?それにこのクッキーを作っている老舗は大正の世に‥」
「はぁ‥‥。」
ブルーベリーケーキを嬉しそうに食べながら老舗の甘い物の歴史を語る大輝を見てちょっと引き気味の啓太は
「それでそのマールヴェン学園に俺一人だけ留学というのはどういうことですかね?」
啓太がそう言うと大輝は食べるのを止めた。
「マールヴェン学園はルクラルミア学園とは違い主に貴族それも王族関連がが独特の通っている学園や。お前には”日本の誇り高き高位の侍の末裔”という触れ込みで入学することにしたで。」
大輝の発言に思わず苦笑し始める啓太
「‥‥ふっふふ。俺が侍の末裔?しかも高位の?‥‥全然似合わないですね。侍だったら繁先輩が似合いますよ?というかあの人の先祖は元々会津の武士でしたっけ?」
竹中繁は福島県会津出身、先祖が会津藩の武士という家で実際に家にあった家系図を持ってきてメンバーに見せたことがある。一部のメンバーは眉唾で疑ったが、家系図を元に会津藩の資料を調べた結果本当に先祖は実際に会津武士でしかも家臣クラスの上流の侍だったとわかったという経緯がある。
「おれもそうしようとしたが、あいつこう言うたんや。“オラは侍ではねぇ。農家だ”“敗者の子孫だから”って行って断られた。まぁ他の奴等はなんとなく雰囲気的には全然似合わんから‥‥なんとなくお前にしただけや。」
「‥‥なんとなくってどういうことですか?」
このアホ【大輝】のあまりにも適当な決定に思わずため息と呆れ顔をまた出してしまう啓太である。
「まぁいいじゃないの!そんなことは面白いのはその学園では刃がない刀剣類の装備は認められている。まぁ今の時代は斬り殺すのは不味いから儀礼用と決闘用の二つのどれかやな。」
「日本で普通に決闘なんかしたら普通に捕まりますよね?」
「この国では決闘は認められているんやと。驚きやな‥。まぁ家と個人の名誉を重んじる国やからな。お前には後で刀を貸すで間違って折らないように!」
「善処しますよ。一応‥で?俺はその学園にただいるだけなんですか?」
「んなわけないやろ。お前には出来れば上流貴族と交流を結んで俺に会わせてほしい。この国には色々と会って“お話したい”と貴族様がわんさかいるさかい。後は‥‥。」
突然話を止めた大輝はおもむろに胸ポケットから写真を出した。
「出来ればこの写真に写っている人の情報を集めてほしいんや。出来れば俺は会いたいんやなこの人に」
最初はあまり興味ないような素振りを見せた啓太であったが、写真を見た瞬間に目色が変わった。
「‥ほぉほぉ凄い美人さんですね。この人の名前はなんて言うんですか?」
啓太はそう言うと大輝はおもむろにまるでどこぞ悪の幹部のような笑みを浮かべ
「この女性の名はーー」
こうしてその日を夜が更けて行った。そして大輝がなぜこの国を選んだのかを知った夜だった。ちなみに啓太はその事を知った途端に‥‥完全に軽蔑と呆れていたのであった。
そうしてなんだかんだ出発日 空港 国際線にて
「準備はえぇか!皆!」
「いいぜよ!」
「‥‥‥。【頷いている。】」
「まじで飛行機に乗るのか。‥巧お前の席俺様の隣だがら‥出来れば手を握ってほしいんだ。怖いから。」
「キモいよ!?」
「待っていろよ!ルドパンクレイズの幼女たち!お兄たまがいくぞ!」
「秀。公衆の面前でうるさいですよ。ねぇカイくん?」
「‥‥先輩俺の腕に絡まないでください。張り倒しますよ?」
「待っていろよ!ルドパンクレイズの美女達!」
とまぁ公共の施設でしかも大勢のお客さんがいるさなか興奮によりいつも以上に騒いでいる面々であった。
さらば日本よ。また帰国するまで暫しのお別れ!