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拝啓 ━復活を求めて俺たちは戦う━  作者: 眼鏡界の足軽
第一章「この世界で生きるために…」
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この世界の実態

ターテンノットを経由する「アクアバード227」の始発はまだ1時間もあると知った俺は駅の小さな売店で新聞を買って読むことにした。





この新聞はここ死神界下界の昨日の出来事を空から見守る死神たちが簡単にまとめてその日の早朝に各地の売店に販売するものだ。




今日のメイン記事は「北部解放軍、アリストタウン奪還!」と言うものだった。記事によると、北部解放軍と言うのはこの下界の北部エリアの北側半分を占領する団体だそうだ。ま、現実世界で言うところの過激派と言う人々だろう。そして彼らとこの世界の治安を守るために1940年代、戦争で怪我を負い昏睡に追い込まれた軍人たちが中心となって作った異世界保安軍は戦争状態にあるそうだ。





彼らは北都を巡ってこれまでに3度戦争を起こし、今回は第四次北部対戦の一環として北部解放軍が北都から少し離れたアリストタウンという都市に攻撃をしかけ奪還したそうだ。




まったくバカらしい…。なんで同じ人間通しで争ってるんだか。




続いて2ページ目の記事は「アサシスト商会社長の結婚」というものだった。1ページ目との記事の差が激しすぎて言葉を失う。



3ページ目以降は目立ったニュースもなくおいしいAIレストランとか、ダイエット用品とかの紹介ばかりだった。




そのレストランの紹介に南都のものもあったため昼飯はここで食べようと決めた。が、直後ランチ1万5千円というのを見て挫折する。




最後の10ページ目は求人広告だった。屋敷を旅立ったらバイトもしないとなあーと、そこだけハサミで切り抜く。




これで300gなら安いし毎日買おうかな~なんて思いっていると、時計は5時50分を回っていてそろそろ切符を買わないとな、と思い席をたつ。徒歩20秒の切符売り場に行き、1800gを払いアクアバード227ターテンノット行きを買う。電子版を見たところ大体1時間ほどかかるんだろうか?たった駅3つ分でこれなんてこの世界の巨大さを改めて知る。




少しぼーっとしてると「フォーーーン」という音を立てながら青い特急列車がホームに入り込む。3両編成の一番後ろの車両に乗り込む。中は半分ほど席が埋まっていた。今まで人口密度の低い町で暮らしていたため気づかなかなかったが、この世界人口もかなりのものだ。



景色を眺めながら乗っていた。乗り心地は現実世界の特急そのものだった。少しの揺れがまた懐かしい。景色は田んぼと山が織り成す大自然だった。あの閑静な住宅街との変わりように驚く。まだ町を出てたった15分なのに!



間もなく電車は最初の停車駅バオスマイトだ。と、言っても興味はないから降りないが。




本当にこの世界の広さ、精密さ。そして人間通しで戦争が勃発していた現実に驚いた朝だった。




今、このときも遥か彼方北部では戦争が起きている。その現実が悔しくて悲しい。

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