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#013「教と育」

――教は、学び舎の中で年長者が子供に鞭を揮う様を現し、育は、母胎から赤子が頭から無事に生まれる様を現す。

  *

「そのコンビなら、俺とロエも会ったことがあるぜ。高く売れそうなブローチを持ってたから、そいつと引き換えに街まで送ってやったことがある」

「そうでしたか。あのコンビとの出会いが、俺に妻と息子が、スイに母と弟が出来る契機でしてね」

「俺はオッサンのことを父親、スイのことを姉貴だとは認めてないからな」

「子育てには、なかなか難航してるようだな」

「手を焼くといおうか、手に余るといおうか」

「ヘンッ。自分勝手なのは、どっちだい」

「これから教えなきゃならないことが多そうだな、ワイくん」

「体力勝負になりそうです」

「負けないからな」

「ハッハッハ。どんどん面白くなりそうだな」

  *

「そのペアなら、あたしとテオも会ったことがあるわ。年代物のブローチを持っていたから、それと交換で街まで送ってあげたことがあるの」

「そうなの。あのペアとの出会いが、わたしに旦那と娘が、ケンに父と姉が出来るキッカケだったのよ」

「わたしはオバサマのことを母と、ケンのことを弟だと思ってるんですけど」

「弟くんは、そう思ってなさそうだったけどねぇ」

「本当に、仕様の無い息子で」

「オバサマは悪くないわ。ケンが我が儘なだけよ」

「そうよ。これから育てていけば良いのよ、モアさん」

「健康も取り戻したことだし、躾け直さないといけないわね」

「わたしも、お手伝いしますから」

「フフフ。いまから成長が楽しみね」

  *

「ヘグショイッ。ウゥ。誰か、俺たちの噂話をしてるようだな」

「ただの風邪ではないのですか、ピア?」

「何とかは風邪引かないって言うだろう、ユウ」

「俗信なら、一回のクシャミは謗りだと言われてますよね」

「それなら、あと二回だな。ヘッグシュン。ンアァ。あれ?」

「二回なら、憎まれ口か物笑いの種ですね。三回なら誰かに惚れられていると言われてますけど」

「悔しいけど、無理だな。出そうと思って出るものじゃない。デキシッ、ブシッ」

「おやおや。完全に風邪ですね。早めに宿に入りましょう」


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