表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/20

#012「劣等意識」

――プレッシャーをモチベーションに繋げられるか、コンプレックスにしてしまうかは、その人次第。

  *

「水辺から離れてるのに、見渡す限り、青一色だな」

「民族衣装の着用が義務付けられてますからね」

「長い一枚布を巻き付けただけのシンプルな格好だが、どうなんだ?」

「気候に合っていて着心地は悪くないのですが、こうも全員が同じ服装をしていると戸惑いますね。――おや?」

  *

「グレーの眼の癖に、生意気だぞ」

「グレーじゃないやい。グリーンだい」

「大して変わらねぇよ。ブラウンの眼が一番なんだからな」

「そんな勝手なことがあるもんか」

  *

「子供二人が、つまらない喧嘩をしてるみたいだな」

「そのようですね。――あら。向こうでも」

  *

「イン語のほうが優れてるに決まっておる」

「イン語は、周りの言葉の寄せ集めじゃないか。ゲル語のほうが勝ってる」

「いいや。そんな黴の生えたような言葉より、イン語のほうが便利だ」

「いいえ。単語の意味や文法が変わりやすいイン語より、規則性を重んじるゲル語のほうが、後世に正確な記録を残せます」

  *

「大人二人が、しょうもない諍いを起こしてるみたいだな」

「成長しても、言い争いは絶えないようですね」

「どう頑張ったって、まったく同じ人間だけにはならないもんな」

「たとえ双子であっても、どこか違うところがあるものですからねぇ」

「それで、違いがなくならない限り、差が生まれるものだ」

「そして同じ部分が多くなるほど、残された僅かな違いに目が行ってしまうものです」

「早いところ、次の街に行こうぜ。どうだ?」

「居心地は良くないですね。そうしましょう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ