06 ひとまずの目的
「本来はあまり干渉してはいけないんですけどね。特例ですからね。まだ、あなたはチュートリアルが終わっていないってだけですから」
「は、はあ……」
「まあ、チュートリアル中にバグが見つかったとでも思ってください。それで、まああの町の状況なんですが、お察しの通り少しおかしい状況にあります」
「ですよね。なんか支配されてるとか」
「あや? そこまでもう知ってるんですが。まあ、そうですね~。だからといって今までしてきたことがチャラになることはないんですが、今後のために誰かしらが解決してくれれば、楽な案件です。でも、リュンさんにそれを求めてるわけじゃないですから。ここは逃げを提案しにきました」
「まあ、あんまりそういう助ける理由もないですしね」
「そういうことですね。リュンさんが男らしい、さながら大剣を振りかざす大男とかだったら、私的には倒しに行ってもらうのも面白いんですけど」
なんか煽られている気がしてきてイライラする。そんなことはないはずなんだけど、男らしくないってこと言われると、すごいコンプレックス。
「ちなみにだけど、あの男の居所はわかってるの?」
「へっ? まあ、一応ここから西に向かったところにある、廃教会にいるらしいですよ」
教会で死霊使いって罰当たりにもほどがないかな。
「あれ? もしかして、行くんですか!?」
「なんか、このまま放っておいたら寝覚めが悪いからいってくる」
「いや、そんなわけのわからない理由で!? 非合理的すぎますよ! まあ、面白いから好きですけど、ってまったまった」
歩き出したボクに彼女はついてくる。
「まあ、さすがに行動を強制するつもりはないですが、せめて、動きやすい服を来てください」
そういって、どこからともなく出した服を渡す。――でも、女性用の服の着方がよくわからない。
「というか、なんでミニスカ」
「まあ、いいじゃないですか。着替えさせてあげますから」
なんか手をワキワキして近づいてくるしぃ、ちょっと、まっ――。
「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
その場に高い女性の悲鳴が響き渡った。だけど、ボクはそれを自分の声だと認めたくはなかった。
うぅ、無理やり脱がされて、ついでに揉みしだかれました。
結果的に服の着方とかは覚えましたけど、なんでミニスカなんですかね。
『いやー、だってほら、太ももに武器隠すとかよくマンガであったじゃないですかー』
あの人、どこの世界の妖精なの!?
全然関係ないけど、インナーでラインはっきりしてたと思ったけど、おもいっきり脱がされたらそれなりにあったみたいです。
だからこそ、揉まれたわけですが……さすがに、裸にはなれないと、ボク生きていけないかな。
そんなこんなで動きやすい軽装になって、ボクはあのネクロマンサーがいるという廃教会へと向かっている。
武器も何もないけど、まあ、どうにもならなかったら即逃げればいいかな。そんな安直な考えだ。
『まあ、一応見守ってはいますけど。基本的に手助けはしませんからね』
見守ってなくても正直いいです。なんか、これだと一生付きまとわれているんじゃないかって、神経質になっちゃいそうだから。
そんな妖精の発言を思い出してしまう程度には、余裕がありますし大丈夫でしょう。