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なりきり転生~衣装チェンジで異世界を歩く~  作者: ゆっき/Yuyu*
第1話 異世界にきたボクは女の子!?
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04 騒動と大騒動

「うわっ!?」

 馬乗りにされていたとかはなく、とっさに転がってナイフを避けることはできた――けど、どういう状況なの!?

 ていうかさっきここで死んでもらうのはっていうことは、意図的にこの状況になってたってこと!?

「なんで、起きっ!?」

 だけど、あっちもボクが起きたことは想定外みたいだ。

「おとなしくしてくださっ!」

 そのまま転がってるボクを狙ってくる。


 だけど、おとなしく死にたくないし。死んだと思ってて、夢じゃないってわかったら死にたくないし、何より生きてるならまだしたいことはあるし!

 もとよりこの体は作り上げられていたんだろう。あんな金属の鎧を着ていたと考えれば、当たり前である。

 体は思ったように動いて、彼女のナイフを持つ手を掴み組み付くことも簡単だった。

「ちょっと、ボクも簡単には死にたくないんだけど。事情を教えてほしいかな」

「ボ、ボク? なんかイメージと違いますね」

「余計なことは話さなくていいよ?」

 なんか悪役みたいだな。だけど、現実生き残るためならこんなものだと思うんだよね。


 とりあえずナイフは力づくで放してもらった。

「いつっ……」

「乱暴でごめんね、まだ力加減とかよくわかんなくて」

 話してくれなさそうなんだよね。

「早く、早くしないと期限が」

「期限……?」

 何の話だろう。この体、実は指名手配犯で、この子はどこかの暗殺者だったとか……さすがに突飛すぎるよね。暗殺者ならこんな簡単に捕まえられないと思うし。


 そんなことしていると――そんなことで済ませてはいけない気がするけど、それ以上のインパクトの有る轟音が響いた。

 ボクが知ってる限りは、あっちは町の入り口だった気がする。

「!? んぅっ、ぐうっ!」

「あっ! ……何か、嫌な予感しかしないから行こう」

 無理やり振りほどいて放ってかれてしまった。ボクは宿をでてその音の方向へと向かって走りだした。


 町の入り口にたどり着くと、門は燃えていた。

 幸いにも家に燃え移るようなことは起きていないが、その奥に1人の男が立っている。

「こいつはこちらで一時預かる。4日以内に供物を持ってこい、さもなくばこの娘が供物になるだけだ。はっはっはっは!」

 高笑いしながら男は町に背を向けて、歩いて行く。

 その肩に担がれているのは、あの宿の少女だった。

「うぅ……なんで」

 入り口の近くでは消火活動が行われて、さらに視界に1人の女性が目に入る。

 宿の女将……つまりは、彼女の母親だ。地面に泣き崩れてしゃがみこんでしまい、知り合いであろう町民は慰めるように近くに寄り添っていた。


 一体、この町に何があるっていうんだ。

 ボクの中にそんな疑問が残るが、少なくとも今、その答えを示してくれる人はいなかった。


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